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海外テニス

「見返して、たくさん泣きました」。大坂なおみがマスクに名前が書かれた被害者遺族からのメッセージに感涙

東真奈美

2020.09.09

4回戦では、2012年フロリダ州で丸腰だったにもかかわらず、自警団に殺されたトレイボン・マーティンくんの名前のマスクをしていた大坂なおみ。(C)Getty Images

4回戦では、2012年フロリダ州で丸腰だったにもかかわらず、自警団に殺されたトレイボン・マーティンくんの名前のマスクをしていた大坂なおみ。(C)Getty Images

 今大会の大坂なおみは、黒人差別への抗議を込めて、不慮の死を遂げた被害者の名前が書かれている黒マスクで入場している。7名の被害者、それぞれの名前が入った黒マスクを準備し、毎試合違うものを着用しているのだ。

 現地時間8日の準々決勝の試合後に、大坂なおみはアメリカESPNの中継番組のインタビューに参加した。その番組内で、マスクに名前が出てきた被害者遺族からのメッセージ動画を紹介された。 

 動画に登場したトレイボン・マーティンさんの母親は 「カスタマイズしたマスクで息子の存在を示してくれて、また息子だけでなく、アマード・アーベリーやブルナ・テイラーのぶんもありがとうございます。私たちは心から感謝しています。この全米オープンでのご活躍を応援しています。対戦相手を蹴り飛ばして勝ってください」 

 アマード・アーベリーさんの父親は、 「サポートをありがとうと言いたい。本当に感謝しています。神のご加護がありますように」と、最上級の感謝の意を表した。
 
 2人からのメッセージを受け取った大坂なおみは、番組キャスターの問いに、「……(なんと言えばよいのか)よくわかりません。このお2人はとても強いです。同じ立場だったら、自分に何ができるかわかりません。けれど、今の自分は、意識を広めるための器のような気がします。彼らの痛みを和らげることはできないかもしれないけれど、必要とされるなら、何かお手伝いできればと思います」と静かに微笑んだ。

 その後の記者会見で、大坂は、「(テレビ中継中は)泣かないように我慢していた」と語った。「その後に見返して、たくさん泣きました。自分のしていることに感謝してもらえるなんて感動的です。できる事をしていただけなので、自分のしていることなど何でもないと思っていました。今、とても感動しています……。心から感謝し、謙虚な気持ちになっています」

 大坂なおみの、全米オープン準決勝は9月11日(現地時間)に予定されている。遺族家族の強く温かい感謝の気持ちを追い風にして、対戦相手を蹴散らして、決勝に駒を進めて欲しい。

文●東真奈美

【PHOTO】全米オープンでベスト4進出を果たした大坂なおみ、厳選写真でプレイバック!
 
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