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海外テニス

ツアー復帰から1勝3敗と“実戦不足”の錦織圭。全仏オープン躍進のカギとなるのは?

THE DIGEST編集部

2020.09.27

昨年の全米以来、約1年ぶりにグランドスラム出場を果たす錦織。初日の14番コート第2試合に登場する。(C)Getty Images

昨年の全米以来、約1年ぶりにグランドスラム出場を果たす錦織。初日の14番コート第2試合に登場する。(C)Getty Images

 ランキングという流動性の高い数字以上に、踏破してきた足跡や、ツアーで築いた確固たる立ち位置、得てきた敬意が、色濃く浮かび上がる光景だ。

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 テニス大会に参戦する選手にとって、練習コートと時間の確保は重要事項の一つである。特に選手の人数が多い開幕前は、望む時間帯や長さを確保するのは容易ではない。一つのコートを、複数人でシェアすることは普通。練習相手探しも、日々行なわなくてはならない作業だ。理想は、次の対戦相手を想定した選手との練習だが、そうそううまくもいかないだろう。

 ちなみにやや余談になるが、サウスポーの選手は練習相手確保という点では、やや不利だという。多くの選手は、次の対戦相手がサウスポーでない限り、球筋が右利きとは異なる選手との練習を望まないからだ。
 
 前置きが長くなったが、約1年ぶりにツアー復帰を果たし、昨年8月の全米オープン以来となるグランドスラムに出場する錦織圭は、全仏オープン会場で充実の練習環境を獲得していた。

 開幕2日前には、先のローマ・マスターズでラファエル・ナダルを破るなど乗りに乗っているディエゴ・シュワルツマンと、1時間半ボールを打ち合った。そして開幕前日にはケビン・アンダーソン、さらにはガエル・モンフィスと共に、センターコートでの練習が予定されていた。

 単なる、35位の選手ではない。トップ10の地位に長くとどまり、ローランギャロスのセンターコートでナダルや、地元フランスのジョー-ウィルフリード・ツォンガやリシャール・ガスケらと幾度も名勝負を繰り広げたアスリートへの、敬意や親愛の情が錦織の周囲を包んでいるかのようだ。開幕に向けてどのような練習をするかは、今の錦織にとって特に大きな意味を持つだろう。

 復帰後、欧州のクレーで3大会を戦った時点での戦績は1勝3敗。「まだ実戦が必要」と痛感していた錦織としては、ここまで望む試合数をこなしたとは言い難い。その足りない実戦経験と試合勘を補うためにも、トッププレーヤーと本戦さながらの練習を重ねることを、錦織は望んでいるのだろう。
 

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