国内テニス

個人からチームへ変化した早稲田実業の団結力。「最後はプレッシャーも楽しく感じた」インターハイ初優勝への道のり

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2019.09.28

早稲田実業で主将の神鳥舞選手(右)と、副主将の舩木美莉選手。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 大声援に後押しされて、悲願の初優勝を手にした早稲田実業。文武両道をモットーにしている学校が、どのように優勝までたどり着けたのか、主将でシングルス1の神鳥舞選手と、副主将でダブルスに出場した舩木美莉選手に話を聞いた。

――優勝できた今回と、今までで違う点は何でしょうか?

神鳥:自分たちの代ということもあり、最後やりきるしかないよねと、舩木とも話をしていました。そのために、全力で悔いの残らないように、自分たちがキャプテン、副キャプテンとして、引っ張っていきながら、勝ちを目指しました。今までは先輩に引っ張られた部分がありましたが、今回は自分たちが引っ張っていくという点が、気持ち的にも違ったと思います。

舩木:9人という少ない人数なので、みんなが相手のことや周りのことを考えて行動しないとスムーズに回りません。そういう点で、お互い信頼して先輩や後輩の壁もそこまでなく、コミュニケーションを取りながら、優勝したい気持ちをインターハイ前までにしっかり固めて、試合に臨めたのが良かったと思います。
――男子部員も含めて応援がすごかったですね。応援に助けられた場面がありましたか? 

神鳥:テニスは孤独なスポーツなので、『チームのために1本取らないと』というプレッシャーがある中で戦うと、気持ち的にはつらいです。でも、1ポイント取るたびに立ち上がって大声で応援してくれて、そのお陰で自分も乗って行けたし、自分がポイントを落とした時も「次行くぞ」と声が聞こえると、「そうだ、次だっ」と思えて、本当に助かりました。

舩木:ダブルスで2人で話し合っていると戦術のことばかりになってしまったり、考えが偏ってしまったりします。でも、「1本ずついこう」とか後ろから声を掛けてもらえると、気づかされて助けられました。応援の力で勝てたという実感は、このインターハイで感じました。

――メンバーは、クラブで練習している人と、部活でやっている人に分かれていますか?

神鳥:今の1、2年は全員部活です。3年生でスポーツ推薦で入ってきた人は週1回の部活です。インターハイのメンバーでは私と舩木がスポーツ推薦です。