海外テニス

テニス界注目の10代選手!大金星を挙げたムゼッティに、記録を塗り替えたアルカラス

東真奈美

2020.11.13

18歳のムゼッティ(左)と17歳のアルカラス(右)。(C)Getty Images

 異例尽くしの2020年シーズンも終わりを迎えようとしている。新型コロナウィルス感染症拡大の影響でツアーの中断があったにもかかわらず、10代選手が話題に上ることが多かった。ATP(男子プロテニス協会)の公式サイトでは、活躍が目立った若手選手を取り上げている。

 最も注目を集めたのは、18歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)だ。今年の9月に開催されたイタリア国際で、当時249位だった彼は予選を突破し、本戦に出場。そこでスターの輝きを放った。

 1回戦でグランドスラムのタイトルホルダーである、スタン・ワウリンカ(スイス)から金星を挙げ、2回戦でも錦織圭から勝利をもぎとり、3回戦に進出したのだ。それも、ただ勝利しただけでなく、この2試合で合計13ゲームしか失っていない。

 ワウリンカとの試合をアメリカの「テニス・チャンネル」で、解説していた元世界1位のジム・クーリエが、「この子のバックハンドは信じられない!」と感嘆の声を漏らしたほどだ。

 この大会で一気に注目を集めたムゼッティは、その後も勢いを失うことなく、イタリア・フォルリで初のATPチャレンジャーのタイトルを獲得した。また、サルデーニャでは初のATPツアー準決勝に進出。9月の時点で249位だったランキングは、10月19日には123位にまでジャンプアップさせた。
 
 もう1人の注目の10代と言えば、ATPランキング自己最高136位のカルロス・アルカラス(スペイン)。17歳の誕生日目前に、リオ・オープンでATPツアー本戦デビューを果たしただけでなく、3時間37分の長時間の激戦を制して、アルベルト・ラモスビノラス(スペイン)を破っている。

「リオでの試合は忘れることはないでしょう。初めてのATPツアーの試合に勝ててとてもうれしい。これまでの試合の中で、最も長く、最も激しい試合だった。かなり難しいコンディションだったけど、正しい姿勢で臨めば、コンディションは関係なく、何でも達成できるとわかった」と、貴重な経験を積んだ。

 アルカラスは元世界1位のファン・カルロス・フェレーロの指導を受け、成長街道を邁進中。10月には、17歳5か月でATPチャレンジャーに2週連続で優勝した最年少選手となり、史上2番目の若さで3つのチャレンジャータイトルを獲得している。

 2人ともタイトル獲得という結果を出しているだけに、来シーズンも活躍が期待できそうだ。

文●東真奈美

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