プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は徳田廉大選手に、武器であるフラット系の両手バックについて教えてもらった。
「バックハンドは昔から得意で、フォアよりもバックの方が力を入れやすい」と語る徳田選手。何でも、昔ソフトボールをやっていて左打ちだったそうで、その感覚がテニスにも生きているのだとか。他のスポーツの経験がテニスに通じるのであれば、有効に利用したいものだ。
徳田選手の両手バックは、スピードと精度が高いレベルで両立しているのが特徴だ。
「あまりスピン回転をかけずに、フラット系の低い弾道でクロスに安定して打てるのが、僕の強みです」とのこと。
一方で「フォアがスピン系なので、良い緩急のバランスになっていると思います」とも言う。速いバックと高弾道のフォア――得意なショット単体で勝負するのではなく、他のショットと組み合わせればその効果はさらに上がる。そういう考え方は一般愛好家も参考にすべきだろう。
では徳田選手特有のフラット系バックは、技術的にどんなことを意識しているのだろう?
「うまくコントロールする秘訣は、ラケットを下からではなく上から構えること。そして、なるべくラケットダウンせず、高い所から直接ボールにぶつけていくイメージを持つことです」
実際に写真で見ると、ラケットヘッドが少し下がる瞬間はあるが、「自分の中の感覚では下げていません」と徳田選手。「振り出す位置と打点を同じレベルにする意識だと、フラットで、かつネットすれすれを正確に通せます」と、狙い方のコツを明かしてくれた。
「あとはどれだけスイングスピードを出せるかですね。置きに行かずスピード勝負します。フォアのスピンの後、バックのフラットを叩くと相手は嫌がりますね」
果敢にスイングスピードを上げられるのも、正確に同レベルの軌道でラケットを振れるからだ。振り出しと打点を一致させる――それが最大のポイントと言えるだろう。
【プロフィール】徳田廉大/とくだれんた
1998年3月29日、広島県生まれ。178cm、69kg、右利き。正確かつスピーディーな両手バックを武器にし、2018年全日本選手権で準優勝。ITFツアーでは通算5勝を挙げている。ATPランキング最高289位(18年8/27付)。イカイ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年4月号より再編集
【PHOTO】徳田廉大両手バックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
「バックハンドは昔から得意で、フォアよりもバックの方が力を入れやすい」と語る徳田選手。何でも、昔ソフトボールをやっていて左打ちだったそうで、その感覚がテニスにも生きているのだとか。他のスポーツの経験がテニスに通じるのであれば、有効に利用したいものだ。
徳田選手の両手バックは、スピードと精度が高いレベルで両立しているのが特徴だ。
「あまりスピン回転をかけずに、フラット系の低い弾道でクロスに安定して打てるのが、僕の強みです」とのこと。
一方で「フォアがスピン系なので、良い緩急のバランスになっていると思います」とも言う。速いバックと高弾道のフォア――得意なショット単体で勝負するのではなく、他のショットと組み合わせればその効果はさらに上がる。そういう考え方は一般愛好家も参考にすべきだろう。
では徳田選手特有のフラット系バックは、技術的にどんなことを意識しているのだろう?
「うまくコントロールする秘訣は、ラケットを下からではなく上から構えること。そして、なるべくラケットダウンせず、高い所から直接ボールにぶつけていくイメージを持つことです」
実際に写真で見ると、ラケットヘッドが少し下がる瞬間はあるが、「自分の中の感覚では下げていません」と徳田選手。「振り出す位置と打点を同じレベルにする意識だと、フラットで、かつネットすれすれを正確に通せます」と、狙い方のコツを明かしてくれた。
「あとはどれだけスイングスピードを出せるかですね。置きに行かずスピード勝負します。フォアのスピンの後、バックのフラットを叩くと相手は嫌がりますね」
果敢にスイングスピードを上げられるのも、正確に同レベルの軌道でラケットを振れるからだ。振り出しと打点を一致させる――それが最大のポイントと言えるだろう。
【プロフィール】徳田廉大/とくだれんた
1998年3月29日、広島県生まれ。178cm、69kg、右利き。正確かつスピーディーな両手バックを武器にし、2018年全日本選手権で準優勝。ITFツアーでは通算5勝を挙げている。ATPランキング最高289位(18年8/27付)。イカイ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年4月号より再編集
【PHOTO】徳田廉大両手バックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』