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日本選手屈指の高速&高精度な両手バックの秘訣は? 徳田廉大が最大の武器を自己分析【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2021.01.16

振り出す所と打点を同じレベルに揃えることが、スピードボールを正確に打ち込むコツだという徳田選手。スイング前のラケットダウンをなるべく抑えることが重要になる。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は徳田廉大選手に、武器であるフラット系の両手バックについて教えてもらった。

「バックハンドは昔から得意で、フォアよりもバックの方が力を入れやすい」と語る徳田選手。何でも、昔ソフトボールをやっていて左打ちだったそうで、その感覚がテニスにも生きているのだとか。他のスポーツの経験がテニスに通じるのであれば、有効に利用したいものだ。

 徳田選手の両手バックは、スピードと精度が高いレベルで両立しているのが特徴だ。
「あまりスピン回転をかけずに、フラット系の低い弾道でクロスに安定して打てるのが、僕の強みです」とのこと。

 一方で「フォアがスピン系なので、良い緩急のバランスになっていると思います」とも言う。速いバックと高弾道のフォア――得意なショット単体で勝負するのではなく、他のショットと組み合わせればその効果はさらに上がる。そういう考え方は一般愛好家も参考にすべきだろう。
 
 では徳田選手特有のフラット系バックは、技術的にどんなことを意識しているのだろう?
「うまくコントロールする秘訣は、ラケットを下からではなく上から構えること。そして、なるべくラケットダウンせず、高い所から直接ボールにぶつけていくイメージを持つことです」

 実際に写真で見ると、ラケットヘッドが少し下がる瞬間はあるが、「自分の中の感覚では下げていません」と徳田選手。「振り出す位置と打点を同じレベルにする意識だと、フラットで、かつネットすれすれを正確に通せます」と、狙い方のコツを明かしてくれた。

「あとはどれだけスイングスピードを出せるかですね。置きに行かずスピード勝負します。フォアのスピンの後、バックのフラットを叩くと相手は嫌がりますね」

 果敢にスイングスピードを上げられるのも、正確に同レベルの軌道でラケットを振れるからだ。振り出しと打点を一致させる――それが最大のポイントと言えるだろう。

【プロフィール】徳田廉大/とくだれんた
1998年3月29日、広島県生まれ。178cm、69kg、右利き。正確かつスピーディーな両手バックを武器にし、2018年全日本選手権で準優勝。ITFツアーでは通算5勝を挙げている。ATPランキング最高289位(18年8/27付)。イカイ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年4月号より再編集

【PHOTO】徳田廉大両手バックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』