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海外テニス

全豪オープン隔離下の現状は?日比野、土居、柴原らが明かした辛苦…厳しい行動管理に突然の練習中止も

内田暁

2021.01.21

会場のメルボルンパークで練習する日比野菜緒。2日続けてのキャンセルの末、ようやくコートに立てた。写真提供:日比野菜緒

会場のメルボルンパークで練習する日比野菜緒。2日続けてのキャンセルの末、ようやくコートに立てた。写真提供:日比野菜緒

 1月10日から、ドバイで全豪オープン予選が行なわれると聞いた時、日比万葉は「本当にそんなことがあり得るの!?」と思わず声を上げた。

 本戦開幕が1月18日から2月8日に遅れたとはいえ、予選はその前週に、同じ会場で行なわれると聞いていた。また、オーストラリア入国後は2週間隔離になるため、「1月15日までに現地入りするように」との通達も受けていたのだ。

「2週間は隔離とはいえ、選手たちとたっぷり練習できるのだから、良い準備をして予選に入れる」

 そんな青写真を描いた日比だが、突如として日程は3週間早まり、しかも開催地まで異なるという。カリフォルニアに暮らす日比にとって、ドバイは地球の裏側。準備不足なうえに、現地入りした後の時差も気掛かりではあるが、決まったものはどうしようもない。年明け早々には渡航すべく、慌てて種々の手続きに取り掛かった。クリスマスの迫った、年の瀬の日のことである。
 
 日比と同じくカリフォルニアに住む柴原瑛菜は、全豪前にダブルスパートナーの青山修子と練習すべく、11月中旬に日本に入っていた。ところが大会開幕は後ろ倒しになり、その情報と前後して、中東のアブダビで1月上旬にWTAツアーが行なわれることが発表される。「全豪前に試合勘を取り戻すために、1つでも多く試合をしたい」と思った柴原たちは、アブダビ経由でメルボルン入りという行路を取ることにした。

 そのアブダビ大会では見事優勝をつかみ取るが、そのぶん、スケジュールは慌ただしさを極める。メルボルン行きのチャーター便は、1月14日0時40分にアブダビを発つが、決勝戦が終わったのは13日の夕方。そこから急いで荷物をまとめ、現地時間の14日夜にメルボルンに到着した。

 その後はPCR検査を受け、ホテルでの隔離に突入。練習の開始は17日予定だったが、検査結果が送られてこなかったため、その日は部屋から出られずじまい。陰性結果を受け取り、ホテルから道を挟んだアルバート・リザーブテニスセンターで練習ができるようになったのは、翌18日のことである。

 柴原たちが練習を開始した18日、日比野菜緒はホテルの部屋で準備を整え、練習会場へのエスコートが扉をノックするのを待っていた。だが予定の時間が過ぎても、誰も扉を叩く気配がない。

 結局この日、全豪オープン会場であるメルボルンパークで予定されていた練習は、全てキャンセルとなった。理由は、練習スケジュールを管理するコンピューターの、システムダウン。2日連続のキャンセルを経て、日比野がようやく太陽の光を浴び練習コートに立ったのは、入国から5日後の20日だった。
 

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