海外テニス

ジョコビッチ、ズべレフ戦での怒りのラケット破壊に「内なる悪魔との戦いなんだ」

スマッシュ編集部

2021.02.17

ラケットをコートに叩きつけるジョコビッチ。この後、ボールキッズがラケットの破片を回収することになるほどの破壊ぶりだった。(C)Getty Images

 テニス四大大会の『全豪オープン』(オーストラリア/メルボルン)では、大会9日目の16日に男子シングルス準々決勝が行なわれ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第6シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)を6-7(6)、6-2、6-4、7-6(6)で下し、2年連続のベスト4進出を決めた。

 3回戦のテイラー・フリッツ戦で痛めた脇腹の影響か、スコア以上に苦戦を強いられたジョコビッチ。第1セットを落とすのは今大会で初めてのことで、凡ミスの数もズべレフの38本に対して56本と、明らかに本調子とはいかない様子だった。

 第3セットで一時0-3となった場面では、自身のプレーレベルにフラストレーションを感じたのか、陣営に向かって文句をまくし立てると、さらに次のゲームでは、リターンをミスした直後にラケットをコートに叩きつけて破壊してしまった。

 試合後の会見で、この話題について質問を受けたジョコビッチは、「もちろん、あのような(怒りをぶちまける)瞬間を誇りに思っているわけではないけど…」としつつ、「あれは僕にとっての救済措置のようなもの」と説明。
 
 続けて、「僕には"内なる悪魔"がいて、それと戦わなければいけないんだ。他のみんなにも同じで、誰もが自分なりの対処法を持っているはずだ。今日の僕にはそれ(内なる悪魔との戦い)が起きて、それが実際に役に立った」としている。

 事実、ジョコビッチがラケットを破壊した次のゲームからは5ゲームを連取して、2セットアップと逆転に成功した。怒りに我を忘れているかのように見えるが、ジョコビッチのとっては感情を爆発させることで、気持ちをリセットするという重要な戦術なのだろう。

 見ている側からすれば気持ちのいいものではないが、勝つためには仕方のない事だろうか? いずれにせよ、彼に憧れる未来のテニスプレーヤーたちが、マネをしないように願いたい…。

構成●スマッシュ編集部

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【動画】怒りからラケットをコートに叩きつけて破壊するジョコビッチ