海外テニス

予選から4強入りで大旋風を起こしたカラチェフ。「人生でかけがえのない経験」と負けても前向き【全豪オープン】〈SMASH〉

中村光佑

2021.02.19

27歳にして初めて四大大会本戦に出場し、4強入りしたカラチェフ(左)。ジョコビッチ(右)には及ばなかったが、全世界のファンにその名を知らしめた。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全豪オープン」(オーストラリア/メルボルン)の男子シングルス準決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れ、決勝進出を逃した世界114位のアスラン・カラチェフ(ロシア)が、試合後の記者会見で今大会を振り返った。

 強烈なフォアハンドやサービスを軸にしたプレーで並み居る強敵を破り、グランドスラム本戦初出場にしてベスト4進出という快挙を成し遂げたカラチェフ。予選勝者として四大大会4強入りを果たした歴代5人目の選手にもなり、テニス界に「カラチェフ旋風」を巻き起こした。

 記者会見でカラチェフは「彼(ジョコビッチ)とのレベルの違いは明らかだった。ジョコビッチは簡単にポイントをくれることがないほど信じられない能力を持ったプレーヤーだ。今日は最初から最後まで彼が素晴らしかった」と対戦相手を称賛。一方で「ただ、自分はここ最近の試合のようなレベルを保てなかった。今日は(得意の)サービスが機能しなくて、少しがっかりした」と準決勝のパフォーマンスを悔やんだ。
 
 それでもカラチェフは「今日は会場のほとんどの観客が僕を応援してくれていたことがうれしかった。グランドスラムでジョコビッチと対戦したことが、今後のキャリアの中で役に立つ時が来ると思う」と前を向いている。

 続けて「僕にとってはとてつもなく良かった2週間だった。今大会の経験は人生でかけがえのないものになった。どんな選手とも戦えることを証明できたと思う」と満足気に語った。

 惜しくも決勝の舞台には届かなかったが、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、フェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)とシード勢を連破した今回の快進撃は、多くのテニスファンに強烈な印象を残したはずだ。カラチェフの今後のさらなる活躍に注目しよう。

文●中村光佑
 
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