海外テニス

「彼はウインブルドンで優勝できる」名手ベッカーが突如“犬猿の仲”であるキリオスをベタ褒め!?〈SMASH〉

中村光佑

2021.02.24

名手ベッカー(写真左)がSNSを通じて批判していたキリオス(右)に対して、今度は一転して称賛のコメントを発信。果たしてこれで“雪解け”となるのか…。(C)GettyImages

 男子テニス元世界1位で往年の名テニスプレーヤーとして知られるボリス・ベッカー氏がイギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』に寄稿し、今年の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/グランドスラム)でニック・キリオス(オーストラリア)が見せたパフォーマンスについて語った。

 以前、新型コロナウイルスのクラスターが発生したクロアチアでのエキジビジョンマッチ『アドリア・ツアー』に出場していたアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)が、自粛期間中にフランスでのパーティーに参加していたことが判明したことについて、SNS上で口喧嘩を繰り広げていたベッカー氏とキリオス。

 キリオスが「なんて自分勝手な行動なんだ」とズべレフを批判すると、ベッカー氏がこれに食いつき、「ネズミ(キリオスを揶揄した言葉)は嫌いだ!同じアスリート仲間の悪口を言うような奴は私の友人じゃない!」などと持論を展開した。

 これに対しキリオスは「ボリス・ベッカーは思っていたより"でかいドーナツ"(間抜け)だ」などと言い放ち、両者ともに一歩も引かないやり取りがテニスファンの間でも話題となった。

 そのような経緯からすでに「犬猿の仲」と称されているベッカー氏とキリオス。だが、今回の全豪で地元ファンからの大歓声を浴びたキリオスが披露したプレーに、ベッカー氏は「自分とニック(キリオス)の間には意見の相違こそあったが、(全豪での)ニックの頑張りには感銘を受けたよ」と心を打たれたことを明かした。
 
 また、ベッカー氏は「(ニックが2セットを奪った)ドミニク・ティームとの3回戦は、この2週間の中でも特に印象に残った試合だったよ」とキリオスの奮闘ぶりを称賛した上で、「私はいつも、彼(キリオス)の才能があれば、ウインブルドンで一度は優勝すべきだと思っていたんだ。あの(強烈な)サーブとクイックな試合運びで、彼には達成できることがたくさんある。彼が大きなことを成し遂げられるかどうかは、ニック自身にかかっているんだ」と期待を込めた言葉を送っている。

 果たしてベッカー氏のコメントが「雪解け」のきっかけとなるのだろうか。いずれにせよ、2人の今後の関係に注目してみたいものだ。

文●中村光佑

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