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海外テニス

大坂なおみは「どのサーフェスでも勝てる」。フィセッテコーチが力説したクレーでも強くなる方法とは?〈SMASH〉

東真奈美

2021.02.25

全豪オープンに優勝した大坂なおみ(左)とフィセッテコーチ(右)。中央はトレーナーの茂木奈津子さん。(C) Getty Images

全豪オープンに優勝した大坂なおみ(左)とフィセッテコーチ(右)。中央はトレーナーの茂木奈津子さん。(C) Getty Images

 テニスの四大大会「全豪オープン」で優勝した大坂なおみにとって、次なる挑戦はクレーコートで結果を出すことだろう。ハードコートでは圧倒的な強さを見せる彼女だが、クレーと芝ではそれほど活躍できていない。この課題に、知将ウィム・フィセッテコーチは、どのように取り組もうとしているのだろうか?

 フィセッテコーチはWTA公式サイトに、クレーシーズンの戦い方や考え方を明かした。「ナオミはクレー上でとても自然に動くことができます。彼女の動き方、パワーを得る方法、ポイントの積み上げ方を見ていると、クレーコートで彼女が本当に良いパフォーマンスを発揮できる理由がたくさんあります」とプレー自体には、すでに自信を持っている。

 ただし、「彼女には試合経験がもっと必要です。クレーコートでの自信と、ゲームプランへの自信が必要」とも語った。

 試合経験の必要性について、過去に指導した選手で、元世界1位のキム・クリステルスの例を挙げて説明した。

「彼女はクレーで試合経験が多くありませんでした。だから、素晴らしいプレーをしていても、数球ミスをしただけで、多くのことを疑い始めました。ゲームプランを疑い、もっと強打した方がいいのか、いやもっと我慢した方がいいのかと迷うんです」

 つまり、経験が浅く、成功体験が少ないサーフェスでプレーする時は、簡単に心が乱れてしまうのだ。
 
 大坂も今、同じ状態にある。

「もしナオミがハードコートでプレーしていて、ウイナーを取ろうとしたフォアハンドでミスをしても、『OK、次は決めるわ』と言うでしょう。でもクレーコートだと、『もう少しラインの内側を狙うべきか』と考え始めるんです」

 だからこそ、クレーで多くの試合を重ねることが必須だとし、「うまくいけばそれでいいし、たとえ負けても、その敗北から学んでいくことができます。それを続けていけば、ナオミはどのサーフェスでも勝てると確信しています。それは今年ではなく、数年かかるかもしれない。でも、最高のプレーができる日は必ずきます」と断言した。

 生涯グランドスラムを目指す大坂にとって、重要なのは全仏オープンだけではない。4月から開幕するクレー大会での全ての経験が、大きな目標につながる礎となる。大坂はこれからクレーで成長していく姿を見せてくれるに違いない。

文●東真奈美

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