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国内テニス

内山の楽天オープンベスト8を振り返り、両方の立場から見てわかってきた、コーチと選手の関係性【鈴木貴男コラム】

鈴木貴男

2019.10.12

ベースとなるストロークの能力が上がったことで余裕ができ、他の部分もレベルアップしている内山靖崇。(C)Getty Images

ベースとなるストロークの能力が上がったことで余裕ができ、他の部分もレベルアップしている内山靖崇。(C)Getty Images

 10月6日に幕を閉じた楽天オープンでは、5人の日本人が本戦入りし、4人が1回戦を突破。2人がベスト8へ進出しました。オープン化以降、初めてという歴史的な場面に、僕はコーチとしてかかわることができ、本当にうれしく思います。
 
自分がよくこの大会にワイルドカード(主催者推薦枠)で出させていただいていた頃は、とにかくここでのチャンスを何としても生かしたいと思っていたので、テニスの調子をこの大会をピークに持ってくるような感じでした。

 ところが、最近の選手は、ある程度の浮き沈みはありますが、チャレンジャー大会を回り、チャンスができたら、ツアーで結果を残すということを何年もやり続けていますので、全員ベースとなるテニスのレベルがアップしていると感じます。

 今回予選からベスト8に進んだ内山靖崇に、コーチとして帯同したので、よりその感覚が大きい印象です。
サーブやボレーでは、日本人の中でレベルの高いものを持ってはいましたが、これまでは、ラリー戦になるとツアーレベルに対抗できなかったのが事実です。今回は、このストローク精度が、練習の時から上がっているように感じました。
 
 何のレベルが上がったかというと、具体的には「ミスをしないこと」「狙った通りのイメージの場所にボールをコントロールしていること」の2つです。

 誰でもゆっくりしたボールであれば、簡単に、早い段階でできるようになります。しかし、重要なのは、プロのレベルで通用するスイングスピード、ボールスピードでなければいけないということです。感覚に頼り過ぎても、その日の調子に左右されてしまうので、あるレベルまではいけますが、それ以上は勝てません。

 自分のベースとなるスイングとボールのスピードを見つけ、それを積み重ねる作業は、プロにとっても一般プレーヤーの皆さんにとってもとても重要なことです。

 今回、そのベースとなるストロークにおいては、増田健太郎さんという、ずっと昔から内山を見てきたコーチがいるのでお任せし、僕は今の内山に必要な、スライス、サーブの質、ネットアプローチのタイミング…といったことを見ることを依頼されました。
 

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