男子テニス界で、アルゼンチンのホアン・マニュエル・セルンドロ（19歳）とフランシスコ・セルンドロ（22歳）の兄弟が大躍進を遂げている。２人ともトップ100入りしていないにもかかわらず、１人はツアー初優勝、１人はツアー決勝進出を果たしたのだ。

　まず、弟のホアン・マニュエルは、２月22日から28日開催されたコルドバ・オープン（アルゼンチン／ATP250）の予選から出場。当時のランキングは335位で、自分よりも上位選手を7名倒し、初のATPツアー本戦出場で、初優勝を果たした。この優勝で、ランキングは181位まで上昇している。

　ホアン・マニュエルは「鍵はメンタルの安定にあった」と決勝戦を振り返っている。スポーツサイコロジストの母親は、コート上でのクールな息子について、「コートではいつもそうなんです。とても落ち着いている。叫んだり思いを表現することが、メンタルが強いというわけではありません。メンタルの強さは自分の内側にあるもので、彼はその見つけ方を知っているんです」と温かく見守っている。

　父親のパトリアーチ・アレヤンドロ氏は元テニス選手で、コーチでもあり、「ホアンは少なくともトップ50には行くと思っている。あとはどれだけ早くそこに到達できるかだ」と、その才能を強く信じている様子だ。
  「弟が勝つのを見てモチベーションになった」と言うのは、兄のフランシスコ。弟と何年も一緒に練習しているだけに、「自分のテニスは（ツアーで戦う）レベルに到達している」との確信を得た。

　そして、早速その自信を結果につなげる。３月１日から７日まで開催されたアルゼンチン・オープン（ATP250）に予選から出場し、決勝にまで駆け上がった。決勝の相手は世界ランク９位のシュワルツマンだっただけにストレートで敗れたが、疑いようのない大活躍だ。この結果、137位から112位にランクアップも果たした。

　では、この２人の関係はどうなのだろうか？　フランシスコは「僕たちは毎日話しているし、良い結果が出れば喜んでいるよ。助け合っているし、良い絆だね」と、仲は良いようだ。

　弟のホアン・マニュエルはふたりの特徴について、「僕たちのプレースタイルは全く違うよ。彼は攻撃的でボールをとにかく強く打つ。僕は、カウンターアタッカーで、左利きで守備的なんだ」と笑う。

　テニス界にはドイツのズベレフ兄弟や女子のウィリアムズ姉妹を筆頭に、兄弟姉妹で活躍している選手たちがいる。セルンドロ兄弟も今後ツアーを盛り上げる存在となるかもしれない。

構成●スマッシュ編集部

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