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海外テニス

【プロの観戦眼3】“構え”で相手の足を止めてしまうフォニーニのフォアハンドを見よ~本村浩二<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2021.05.03

フォニーニのフォアハンドは、胸を張って腕を遅らせることで、相手に打つコースを読ませない。右下は本村浩二プロ。写真:THE DIGEST写真部

フォニーニのフォアハンドは、胸を張って腕を遅らせることで、相手に打つコースを読ませない。右下は本村浩二プロ。写真:THE DIGEST写真部

 このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のこのショット」がすごいという着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第3回は本村浩二プロに話を聞いた。注目しているのは、今年34歳になるベテラン、ファビオ・フォニーニ(イタリア)の強烈にトップスピンをかけたフォアハンドだ。

「フォニーニのフォアはどこからでもエースが取れます。入るか入らないかはともかく、構えただけで相手の動きを止めるショットなんです」

 どういうことか? そのカギは「胸の張り」にあると本村プロは語る。

「振り出す時に、胸がハチ切れんばかりにバンと開きます(連続写真の4コマ目)。そうすると腕が遅れてくるから、どちらに打つのかわからない。だから相手の足が止まるんです」

 本村プロによれば「うまい選手ほど出どころが遅い」のだそうだ。ナダルや、調子がいい時の錦織などがその典型だという。
 
 さらに「待っている段階では姿勢が真っすぐで奇麗だから(1コマ目)、胸を張った時に急にダイナミックになる。そのギャップが見ていて楽しいし、きっと相手も戸惑うでしょう」という効果もある。

 フォニーニは身長178センチと比較的小柄だが、そのバネの利いた身体の使い方があるからこそ、あれだけ破壊力のあるフォアが打てるのだろう。

 これは一般プレーヤーも参考にすべきなのか?「それは諸刃の剣ですね」と本村プロ。「体幹が強くないのに胸を開くと、腕が遅れすぎて間に合いません。インパクトまでにちゃんと戻せるなら、見習ってもいいですが……」。自分の筋力と相談して決めてほしい。

◆Fabio Fognini/ファビオ・フォニーニ(イタリア)
1987年5月24日、サンレモ生まれ、タッジャ在住。178cm、79kg、右利き、両手BH。クレーコートを得意とする頑強なストローカーで、ツアー9勝のうち8勝がクレー。2019年に32歳で初のトップ10入りを果たし、自己最高9位をマークしたタフなプレーヤー。同年のモンテカルロマスターズを制している。16年に女子選手のペンネッタと結婚した。

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【連続写真】胸の張りで腕を加速するフォニーニのフォアハンド、30コマの『超分解写真』
 

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