海外テニス

「無観客の状態だったら…」錦織に逆転勝利したズベレフが観客の存在に感謝<SMASH>

中村光佑

2021.05.14

錦織(右)にリードされながらも逆転勝利をもぎ取ったズベレフ(左)。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「イタリア国際」(5月9日~5月16日/イタリア・ローマ/クレー/ATP1000)は現地5月13日に男子シングルス3回戦を実施。第6シードで世界ランク6位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)が同45位の錦織圭を4-6、6-3、6-4のフルセットで下し、準々決勝へ駒を進めた。

 ズベレフは前週のマドリード・オープン2回戦でも錦織と対戦しストレート勝ちを収め、その大会に優勝していた。

 この試合でズベレフは、序盤からアグレッシブな攻めを見せる錦織にミスを誘われ、第1セットを落とす。第2セットは1-3の劣勢から5ゲーム連取しセットを奪い返すと、ファイナルセットでも先にブレークを許しながら逆転勝利している。

 この勝利で対錦織3連勝を飾ったズベレフ。試合後のインタビューでは「第2セットでマドリードの疲れが脚にきていた」と疲れ切った様子で振り返りながらも、「最終的にはこの試合を勝てたことに満足している。今はただ、準々決勝に進出できたことがうれしい」と喜びを語った。
 
 また、「会場にファンがいなければ、今日の勝利はなかったと思う。彼らが僕に必要なエネルギーを与えてくれた。もしも無観客の状態でプレーしていたら、1時間半かからずに試合が終わっていただろう」とコメントし、観客の声援も力に変えていたという。

 勝利したズベレフの準々決勝の対戦相手は「クレーキング」の異名を持つ第2シードのラファエル・ナダル(スペイン/3位)。ズベレフはナダルに対しても前週のマドリード大会準々決勝を含めて3連勝中だが、「厳しい戦いになると思う」と警戒感を示した。2週連続でクレーコートの絶対王者から勝利を手にすることができるのか、早くも注目が集まっている。

 一方、錦織にとっては約2年半ぶりとなるトップ10選手からの勝利まであと2ゲームと迫っていただけに、非常に悔やまれる敗戦となってしまった。しかし、調子は上がってきているので、今大会の悔しさをバネに、錦織には大躍進を期待したいところだ。

文●中村光佑

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【動画】イタリア国際3回戦、錦織対ズベレフ戦のハイライト(4:38~)