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海外テニス

大坂なおみ、罰金覚悟で全仏オープンの記者会見を拒否「落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」<SMASH>

中村光佑

2021.05.27

全仏の前哨戦、イタリア国際で敗れた試合での大坂なおみ。選手の心の痛みに配慮しない記者会見を痛烈に批判し、全仏での会見拒否を表明した。(C)Getty Images

全仏の前哨戦、イタリア国際で敗れた試合での大坂なおみ。選手の心の痛みに配慮しない記者会見を痛烈に批判し、全仏での会見拒否を表明した。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク2位の大坂なおみが今年の「全仏オープン」(5月30日~6月13日/フランス・パリ/グランドスラム/クレー)で全ての記者会見に応じない意向を示した。

 会見拒否の決断に至った経緯について大坂は「私を含めた選手たちはあの場所に座って、これまでに何度も聞かれたことのある質問をされたり、心に疑いをもたらすような質問をされたりすることが頻繁にある。私は自分を疑うような人たちに自分をさらしたくない」と自身のツイッターで説明。

 また、「負けた後に記者会見場で落ち込む選手の映像を何度も見てきた。もし選手の立場に立ったら、きっとあなたたちもそうなると思う。そのような状況で選手を問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもので、そんなことをするのが理解できない。人々がアスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていないとよく感じていた」と記者たちに苦言を呈した。
 
 だが、男女共にプロテニスプレーヤーはシングルス部門に出場する場合、勝敗を問わず、報道陣から要望があれば試合後の記者会見への出席が義務付けられており、これに違反すると罰金が科されてしまう。

 それでも大坂は「もし組織が『会見に応じないと罰金だ』と言い続け、アスリートのメンタルヘルスを無視し続けられると考えているのであれば、それは笑うしかない。この件で科せられる罰金の相当額が、メンタルヘルスの慈善団体に寄付されることを願っている」とコメントしており、全く意に介していない様子だ。

 テニスに限らず記者会見では選手の心情を考慮しない質問が飛ぶ場面も確かに見られるが、一方でアスリートなら誰もがその道を通ってきたことも事実だ。それだけに大坂の今回の発表はすでに波紋を広げており、SNS上では賛否の声が続々と上がっている。

文●中村光佑

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