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海外テニス

大坂なおみ「今の状況は意図していなかった」うつ病告白で全仏オープン棄権。「身を引くことが最善だと思う」<SMASH>

中村光佑

2021.06.01

衝撃的な結末で全仏オープンを終えた大坂なおみ。(C)Getty Images

衝撃的な結末で全仏オープンを終えた大坂なおみ。(C)Getty Images

 記者会見ボイコット騒動の収束が見込めない中、女子テニス世界ランク2位の大坂なおみが現地5月31日に、自身の公式Twitterで現在開催中の「全仏オープンテニス」(5月30日~6月13日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)を棄権することを表明した。

 現地5月27日に自身のSNSに投稿した声明で「今年の全仏オープンで行なわれる全ての記者会見に応じない」と宣言していた大坂。さらに、「人々がアスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていないと感じていた」と記者たちへ苦言を呈し、「特に負けた選手をあのような場で問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」と、試合後の会見が選手の精神状態に悪影響を及ぼす可能性を指摘していた。

 30日に行なわれた女子シングルス1回戦に勝利した大坂は試合終了直後のオンコートインタビューには応じたものの、宣言通り記者会見を拒否。その後、規定違反による15000ドル(約165万円)の罰金が科せられただけでなく、四大大会(全豪・全仏・ウインブルドン・全米)が共同で大坂に対し、「今後も記者会見の拒否を継続する場合は全仏オープンの失格処分や、更なる多額の罰金、将来的なグランドスラムの出場停止などの処分を受けることになる」と通知する事態にも発展していた。

 冒頭で大坂は「今の状況は数日前に会見拒否のことについて投稿した時に想像も意図もしていなかったことです」と前置きした上で、「パリでの大会に誰もが集中できるように、大会や他のプレーヤー、そして私自身にとって、私が身を引くことが最善だと思います」と大会棄権の決断に至った経緯を説明。
 
 全仏オープンの開幕前に会見拒否を表明した理由については「私は世界中のメディアに話す前に大きな不安の波に襲われます。本当に緊張していて、できる限り最善の答えを出そうとすることにストレスを感じます。パリで私はすでに不安を感じていたので、セルフケアとして記者会見をスキップした方がいいと考えたのです。(一方で)会見のルールがかなり古くなっている部分があると感じたので、先に発表することにしました」とコメントしている。

 また、大坂は「2018年の全米オープン以来、長い間うつ病に悩まされてきて、それに対処するのに本当に苦労しました」とも告白。今後については「私は今、少しの間コートから離れるつもりでいますが、しかるべき時が来たら私はツアーと協力し、選手、報道陣、ファンにとってより物事を良くしていく方法を話し合いたいと思います」と語り、全文を締めくくった。

 今回の記者会見ボイコット宣言には賛否の声が続々と上がり、以前にも増して注目を集めていた大坂。今季もキャリアのスタート当時から苦手としていたクレーコートで、思うような結果を残せていなかったことも、彼女のメンタルコントロールに大きく影響していたのかもしれない。まずは心を休めて、大坂が再び元気な姿でコートに戻ってくることを期待したい。

文●中村光佑

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