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錦織圭との全仏3回戦を途中棄権したラークソネン「ショットを打とうとした時に……」<SMASH>

中村光佑

2021.06.05

錦織との一戦でアクシデントに襲われた29歳の遅咲きラークソネンが無念の試合を振り返った。(C)Getty Images

 テニス四大大会「全仏オープンテニス」(5月30日~6月13日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)は、現地6月4日に男子シングルス3回戦を実施。世界ランク150位のヘンリ・ラークソネン(スイス)が同49位の錦織圭に5-7と第1セットを先取された時点で途中棄権を申し入れ、無念の3回戦敗退となった。

 予選から出場しているラークソネンは、今回が初のグランドスラム3回戦進出という遅咲きの29歳で、2回戦では第11シードのロベルト・バウティスタアグート(スペイン)に勝利。錦織との顔合わせはこの試合が初めてとなった。

 しかし、予選からここまで5試合をこなしていたラークソネンの身体はすでに悲鳴を上げていたようだ。

 お互いにサービスキープが続く中、第4ゲームでラークソネンは錦織が放ったワイドサービスを追いかける際、左足に違和感を覚え、ゲーム間でメディカルタイムアウトを要求。その後も動きにキレが戻らないラークソネンは降雨中断をはさんで第1セットを落とすと、第2セット第1ゲームの途中で主審に棄権を申し入れた。
 
 非常に残念な形でグランドスラム初の4回戦進出を逃したラークソネンは、試合終了後の記者会見で左足を痛めた場面について「ゲームカウント2-1になったところでショットを打とうとしたときに内転筋、外転筋、どちらかわからないが内側に痛みを感じた。その時はもう動くことができなかった」と説明。

 最後には「最近の試合や昨日の練習、今日のウォームアップでも特に何も感じなかった。今日の試合を始めた時も、すべてが順調だった」と語り、悔しさを滲ませた。

 ラークソネンにとっては何とも形容しがたい結末となってしまったが、グランドスラムの舞台で初の3回戦進出を果たしたことは大きな自信につながるだろう。まずは何よりも大事に至らないことを祈るばかりだ。

 一方、思わぬ形での勝ち上がりとなった錦織は、4回戦で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界6位)と対戦する。前哨戦のマドリードとローマではいずれも敗れているだけに厳しい戦いとなることは間違いないが、錦織にはリベンジを大いに期待したい。

文●中村光佑

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