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海外テニス

「普段の僕とは全然違う」得意の芝で20歳のホープに敗れたフェデラーが、現状と復活への鍵を自己分析<SMASH>

中村光佑

2021.06.17

過去10回優勝しているハーレで、2回戦敗退を喫したフェデラー。「悪かったところはそれを解決する必要がある」と立て直しを誓った。(C)Getty Images

過去10回優勝しているハーレで、2回戦敗退を喫したフェデラー。「悪かったところはそれを解決する必要がある」と立て直しを誓った。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「ノベンティ・オープン」(6月14日~20日/ドイツ:ハーレ/グラスコート/ATP500)は現地時間6月16日、シングルス2回戦を実施。第5シードで世界ランク8位のロジャー・フェデラー(スイス)は同21位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ)に6-4、3-6、2-6の逆転で敗れ、同大会18度目のベスト8進出を逃した。

 1回戦では世界90位のイリア・イバシュカ(ベラルーシ)をストレートで下し、大会11度目の優勝に向けて好スタートを切った39歳のフェデラー。20歳のオジェ-アリアシムとは今大会が初の顔合わせとなった。

 この試合は序盤から攻撃的なプレーを見せるフェデラーが第7ゲームで先にブレークに成功し、第1セットを先取。だが、第2セットに入るとオジェ-アリアシムの精度の高いリターンに苦戦を強いられ、1セットオールに持ち込まれる。その後も流れをつかめないフェデラーは、迎えたファイナルセットでも2つのブレークを喫し、1時間45分で力尽きた。

 得意とするハーレの舞台でまさかの逆転負けを喫したフェデラーは、試合後の記者会見で「全体的には、フェリックスも素晴らしい試合をしたと思う。彼は精神的にとても安定していたし、勝ちたいという気持ちも伝わってきた」と勝者のオジェ-アリアシムを称えつつ、「第1セットのプレーには満足していたが、第2セットでは自分のレベルがすぐに落ちてしまった。(試合の途中で)『普段の僕とは全然違う。今日は自分の日ではない』と悟ったんだ」と悔しさを滲ませた。
 
 それでも会見の最後には「これまでの1500試合を振り返れば、こういうことだってある。僕はこれまでのプロセスで常に証明してきたように、全ての試合の結果を情報として受け止め、悪かったところはそれを解決する必要があると思っている。なぜ悪いことが続いているのかも理解しなければならない」と前向きなコメントを残した。

 一方、「芝の帝王」とも称されるフェデラーから逆転で勝利をつかんだオジェ-アリアシムは「この勝利は、僕の自信にもつながった。ロジャーのようなプレーヤーと対戦することは、僕にとって大きな挑戦だったけど、彼に勝つことができたのは素晴らしいことだ。本当にうれしいよ」と感慨深げに喜びを語った。

 以前からウインブルドンでの完全復活を目標に掲げていたフェデラーにとっては、不安が残る結果となったことは間違いないだろう。だが、今大会でも随所に見せたフェデラーらしい華麗なプレーに、世界中のテニスファンが魅了されたはずだ。まずはしっかりと身体を休めて、過去8度の優勝を誇るウインブルドンの舞台で再び躍動する姿を見せてもらいたい。

 なお、勝利したオジェ-アリアシムは準々決勝で世界75位のマルコス・ギロン(アメリカ)と対戦する。

文●中村光佑

【PHOTO】芝の帝王!フェデラーの「ウインブルドン2019」でのプレー集
 
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