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海外テニス

「タンクが空になってしまった…」元世界4位のバーテンスが今季限りでの引退を表明。コロナ禍の生活の変化も一因に<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.06.17

自身のSNSで引退を表明したバーテンス。(C)Getty Images

自身のSNSで引退を表明したバーテンス。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク20位のキキ・バーテンス(オランダ)が、今シーズン限りでの現役引退を自身のSNSで表明した。

 現在29歳のバーテンスは、2019年3月にオランダ人プレーヤーとして史上最高位となる世界4位を記録。これまで単複通算でツアー20勝を上げ、2016年の全仏オープンではベスト4に、2018年のウインブルドンではベスト8に進出するなどビッグトーナメントでも活躍した。

「皆さんに、今年が私のテニスキャリアの最後のシーズンになることをお伝えしたいと思います」として始まるインスタグラムのメッセージでは、「私は常に自分のベストを尽くすようにしてきましたが、タンクが空になってしまいました」と、引退を決意した理由を告白している。

 2020年2月のサンクトペテルブルク・レディーストロフィーではツアータイトルを獲得するなど好調だったが、その後は新型コロナウイルスの世界的な流行によりツアーが中断。そして再開後にアキレス腱を痛めてしまい、歩くこともままならない状況になってしまった。10月末に手術を受け、今年3月に復帰を果たしたが、ここまで7試合を戦い2勝しか上げられていない。
 
「毎日100%の力を出すことができず、仕事に満足感を得られなくなると、『私はなぜこの仕事を続けているんだろう』と自問したくなるでしょう。でも私はその“なぜ”に答えを見出すことができなかった。その時、引退を決心しました。私にはもう十分です」

 また彼女は、「もし新型コロナウイルスがなかったら、2~3年は続けていたかもしれない」と、世界的な感染拡大がもたらした生活リズムの変化も、引退決断の一因になっていると明かす。ツアーの中断が、毎日のようにハードワークする必要がない生活があることを教えてくれたのだという。

「(通常の)リズムに乗っているときは年間30大会に出場し、シングルスやダブルスなど全てをこなすことができる。でも一度離れてしまうと、その生活に身体をまた慣れさせるのが大変なのです。今は家にいるのが楽しくてしょうがないのに、なぜ外に出て、体力やケガやコート上での葛藤と戦う必要があるのでしょうか? これからは新しい章の始まりで、それをとても楽しみにしています」

 バーテンスは現時点でのスケジュールとして、6月21日からのイーストボーン国際、28日からのウインブルドン、そして7月24日からの東京オリンピックを挙げているが、どの大会でキャリアの最後を飾るのかは明確にしていない。

構成●スマッシュ編集部

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