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海外テニス

「何からスタートしたらいいのか…」21歳の全米優勝者アンドレスクが苦悩を吐露。ウインブルドンで復活なるか<SMASH>

中村光佑

2021.06.22

2019年全米優勝者のアンドレクスは復調を目指して芝のシーズンに挑む。(C)Getty Images

2019年全米優勝者のアンドレクスは復調を目指して芝のシーズンに挑む。(C)Getty Images

 女子テニスツアー「イーストボーン国際」(6月21日~26日/イギリス:イーストボーン/グラスコート/WTA500)に出場する世界ランク7位のビアンカ・アンドレスク(カナダ)が大会前の記者会見に応じ、苦しい胸の内を明かした。

 2019年にカナダ勢初の全米オープン優勝を成し遂げ、活躍が期待されていたアンドレスク。だが同年11月に行なわれた「資生堂WTAファイナルズ深圳」で左ヒザを負傷。その後は長らくツアーを離脱していたが、今年2月の全豪オープンで約15か月ぶりに復帰を果たすと、3月のマイアミ・オープンでは準優勝を収め、徐々に復調の兆しを見せていた。

 だが、4月にはマドリード・オープンの開幕前に行なわれたPCR検査で新型コロナウイルスの陽性が判明し、出場を予定していた同大会を棄権。5月の全仏オープンでも1回戦敗退と不本意な結果に終わっている。完全復活を目指す中、記者会見では「今は何からスタートしたらいいのかわからない」と悔しさを滲ませた。

 さらに、「実は2020年のインディアンウェルズ大会に出場する準備ができていた」と故障から復活する計画だったことを明かし、「文字通り、その大会から全てが始まる予定だったけど、3日間その場所にいて、みんなから大会が(新型コロナウイルスの影響で)キャンセルされたと伝えられ、私はまた振り出しに戻らなければならなかった」とコメント。すでに昨シーズンから思うようにいかないことへのもどかしさを感じていたようだ。
 
 それでも21歳の全米優勝者は最後には前向きなコメントを残し、会見を締めくくった。

「家族の健康問題など、色々なことが起こって、私にとってはとても大変だったけど、そのようなつらい時でも耐えようとした。私は、全ての出来事には理由があるという考え方をするようにしている。そして、全ての瞬間をある意味でポジティブに捉えるようにしたいと思っている」

 アンドレスクは6月28日から開幕する「ウインブルドン」(イギリス:ロンドン/グラスコート/グランドスラム)の本戦に、上位シードとして出場することを予定している。まだまだ彼女らしいパワフルなプレーは鳴りを潜めているが、グランドスラムの舞台で一つでも多く勝ち進むことで、完全復活へのきっかけをつかみたいところだ。

文●中村光佑

【PHOTO】アンドレスクのサービス、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 
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