海外テニス

準備不足で活躍を疑問視されたキリオス。シード撃破で芝に自信深める「誰が何と言おうと気にしない」<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.07.01

第21シードを好プレー連発で撃破して見せたキリオス。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)は、現地6月30日に男子シングルス1回戦を実施。前日に順延となっていた世界ランク60位のニック・キリオス(オーストラリア)と、同25位で第21シードのユーゴ・アンベール(フランス)の一戦は、6-4、4―6、3-6、6-1、9-7でキリオスが制し、2回戦進出を果たした。

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、ほとんどの時間を母国オーストラリアで過ごしているキリオスは、今大会が今季3大会目で、オーストラリア国外でのツアー参戦となると1年半近く前のアカプルコ以来。ほとんど実戦経験を積まぬまま、さらには会場入りが開幕4日前だったという準備期間の短さから、ウインブルドンでの活躍は難しいと予想されていたが、キリオスはそういった声を結果で一蹴して見せた。

「多くの人が、そんな短期間の準備じゃあウインブルドンに行く意味がないと言っていた。『ソファから起き上がってきて、このレベルの選手と戦える可能性はない』と言った人もいたよ。でも僕は自分のゲームを理解しているし、芝でのプレーの仕方も知っている。ドローにいる他の誰も恐れていないんだ」。キリオスは試合後にそう語っている。
 
 そういったキリオスの言葉は、この試合のスタッツが裏打ちしているだろう。前哨戦で優勝し、この上ないほど好調の波に乗っているアンベールに対し、サービスゲームで7割のポイントを獲得。23本のサービスエースを放ち、37本のエラーに対して51本のウィナーを決めた。

 キリオスはこれを踏まえて、「7歳の時からテニスをしているんだ。2日間の準備で何も問題ない。ビッグサーブを放ち、ビッグプレーをして、ただひたすらに競い合う。自分のやり方で準備して、今回もそれがうまくいったんだ。誰が何と言おうと全く気にしないよ」と、自信を深めている様子だ。

 次戦ではジャンルカ・マジェル(イタリア)と対戦するキリオス。この試合でもきっとビッグプレーを連発して、グラスコートマッチらしい清々しいテニスを見せてくれるだろう。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】どんなボールも打ち返す、プロの超絶フットワーク集!
NEXT
PAGE
【動画】2日がかりの熱戦!キリオスとアンベールのウインブルドン1回戦ハイライト