現在開催中のテニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート/グランドスラム)について、大会主催側は男女共にシングルス準々決勝からセンターコートおよびコート1における観客数の制限を設けないことを発表した。
この決定に対し、ウインブルドンで最多の8度の優勝を誇る男子テニス世界ランク8位のロジャー・フェデラー(スイス)は、懐疑的な見解を示している。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、観客数を最大収容人数の50%程度に抑えた形で開催してきた今年のウインブルドン。大会に出場する選手たちには定期的にPCR検査を受けることや指定されたホテルに宿泊するなどのルールが設けられ、徹底した感染拡大防止対策を講じている。
そんななか、大会1週目が終了した時点でクラスター(集団感染)の発生が確認されなかったため、英国政府が人数制限を解除することを認めたという。また、現在もイギリス国内では新型コロナの新規感染者数が増加傾向にある一方で、ワクチンの普及が急速に進んでおり、死者数が低く抑えられていることも制限解除の決め手となったようだ。
それについてフェデラーは、現地時間7月5日に行なわれた男子シングルス4回戦を突破した後の記者会見で、「僕たちはまだバブルに籠らなきゃいけない状態にあることは重々承知しているが、早く次のステップに進みたいと思っている」と前置きしつつ、「パンデミックはまだまだ続くと思う」と会場内での新型コロナ感染拡大に警戒感を示した。
その一方で、「ウインブルドンのチャンピオンになれたとしても、観客がいない状況では観客がいる時と同じような感情は抱けないだろう。だからこそ、ファンの皆さんが会場へ戻ってきたことをとてもうれしく思っている」とも述べ、複雑な胸の内をうかがわせた。
ウインブルドンのような大規模な大会が100%の観客数で行なわれることは、選手にとっては喜ばしいことかもしれない。しかし、ウイルスが依然として猛威を振るう中、観客は客席でマスク着用を義務付けられていないなど、緩めの規制にSNS上でも懸念の声が上がっていることも事実だ。「感染が広がらない状態が続くことを願っている」と語ったフェデラーの言葉通り、このまま無事に大会が終幕することを心から祈りたい。
なお、フェデラーはベスト4進出を懸け、現地時間7月7日に行なわれる準々決勝で第14シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/18位)と対戦する。
文●中村光佑
【PHOTO】芝の帝王!フェデラーの「ウインブルドン2019」でのプレー集
この決定に対し、ウインブルドンで最多の8度の優勝を誇る男子テニス世界ランク8位のロジャー・フェデラー(スイス)は、懐疑的な見解を示している。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、観客数を最大収容人数の50%程度に抑えた形で開催してきた今年のウインブルドン。大会に出場する選手たちには定期的にPCR検査を受けることや指定されたホテルに宿泊するなどのルールが設けられ、徹底した感染拡大防止対策を講じている。
そんななか、大会1週目が終了した時点でクラスター(集団感染)の発生が確認されなかったため、英国政府が人数制限を解除することを認めたという。また、現在もイギリス国内では新型コロナの新規感染者数が増加傾向にある一方で、ワクチンの普及が急速に進んでおり、死者数が低く抑えられていることも制限解除の決め手となったようだ。
それについてフェデラーは、現地時間7月5日に行なわれた男子シングルス4回戦を突破した後の記者会見で、「僕たちはまだバブルに籠らなきゃいけない状態にあることは重々承知しているが、早く次のステップに進みたいと思っている」と前置きしつつ、「パンデミックはまだまだ続くと思う」と会場内での新型コロナ感染拡大に警戒感を示した。
その一方で、「ウインブルドンのチャンピオンになれたとしても、観客がいない状況では観客がいる時と同じような感情は抱けないだろう。だからこそ、ファンの皆さんが会場へ戻ってきたことをとてもうれしく思っている」とも述べ、複雑な胸の内をうかがわせた。
ウインブルドンのような大規模な大会が100%の観客数で行なわれることは、選手にとっては喜ばしいことかもしれない。しかし、ウイルスが依然として猛威を振るう中、観客は客席でマスク着用を義務付けられていないなど、緩めの規制にSNS上でも懸念の声が上がっていることも事実だ。「感染が広がらない状態が続くことを願っている」と語ったフェデラーの言葉通り、このまま無事に大会が終幕することを心から祈りたい。
なお、フェデラーはベスト4進出を懸け、現地時間7月7日に行なわれる準々決勝で第14シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/18位)と対戦する。
文●中村光佑
【PHOTO】芝の帝王!フェデラーの「ウインブルドン2019」でのプレー集