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大坂なおみが聖火台点火!「これまでに経験したことのない最も偉大なスポーツの名誉と成果です」<SMASH>

中村光佑

2021.07.24

多くの人々の思いが繋がれた聖火の最終点火者となった大坂なおみ。(C)Getty Images

 新型コロナウイルス感染拡大により、1年延期となった東京オリンピックは7月23日に開会式を実施。昨年の全米と今年の全豪オープンで優勝している女子テニスの大坂なおみ(世界ランク2位)が聖火リレーの最終点火者として登場し、日本全国でこれまでに1万515人がつないできた聖火を聖火台に灯した。

 開会式の終盤に入り、レスリング女子五輪3連覇の吉田沙保里さんと柔道五輪3連覇の野村忠宏さんが聖火のトーチと共に国立競技場のピッチに入場。日本プロ野球界のレジェンドとして知られる長嶋茂雄さん、王貞治さん、松井秀喜さんを挟み、121日間をかけて全国を巡ってきた聖火は、最後に岩手、宮城、福島で2011年3月の東日本大震災を経験した子どもたちから大坂へと繋がれた。
 
 聖火を受け取って太陽と富士山をモチーフにしたオブジェの前に立ち、点火台への階段を上った大坂。両手でそっと火を灯すと、右手でトーチを掲げ、会場にいた選手や関係者へ手を振っていた。
 
 見事に大役を務め上げた大坂は翌24日の未明に自身のSNSを更新。聖火台に点火した直後に右手でトーチを掲げながら笑顔を見せている自身の写真を添え、「間違いなく私がこれまでに経験したことのない最も偉大なスポーツの名誉と成果です」と綴った。

 そして最後に「今の気持ちを表現する言葉はありませんが、感謝の気持ちでいっぱいです。皆さんを愛しています。ありがとうございます」と感謝の言葉を残し、締めくくった。

 今年6月の全仏オープンでは「記者会見ボイコット宣言」で賛否両論を巻き起こし、2018年の全米オープン優勝後から長らく心の病に悩まされたことも明かした大坂。まだまだ心の健康状態に関する懸念の声が広がっている中、人種や性別による差別がない社会の実現を積極的に訴えてきた彼女にとって、「多様性と調和」や「男女平等」の理念を掲げる今夏の東京オリンピックは最適な舞台と言っても過言ではないだろう。

 日本女子テニス界初の金メダル獲得を目指し、東京大会では大坂らしいパワフルなプレーで多くのファンを楽しませてほしい。

 なお、第2シードとして女子シングルスに出場する世界ランク2位の大坂は、7月25日に行なわれる1回戦でジェン・サイサイ(中国/同52位)と対戦する予定だ。

文●中村光佑

【PHOTO】大坂なおみの聖火着火ほか、東京五輪開会式の名場面!
 
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【画像】大坂が自身のSNSで公開した聖火台点火の様子