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海外テニス

「テニスが崩壊した」偉業達成の夢を砕かれ、失意のジョコビッチが赤裸々に告白「今は最悪の気分」【東京五輪】

中村光佑

2021.07.31

衝撃の敗戦に失望の色を隠せないジョコビッチ。(C)Getty Imaes

衝撃の敗戦に失望の色を隠せないジョコビッチ。(C)Getty Imaes

 東京オリンピックテニス競技(7月24日~8月1日/東京:有明/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第4シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/5位)に6-1、3-6、1-6の逆転で敗れ、決勝進出を逃した第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)。

 これにより、自身初の金メダル獲得を逃すと共に、1年で全ての四大大会とオリンピックを制覇する『年間ゴールデンスラム』の偉業達成の夢も絶たれることとなった。誰もが予想しなかったこの結末に、本人もショックの色を隠せないようだ。

 準決勝の直後に行なわれたインタビューでは「今日は本当にタフな1日だった。今は最悪の気分だ」と辛い胸の内を明かしつつも、「サーブでのフリーポイントをたくさん逃してしまった。僕は彼のセカンドサーブに対してほとんどチャンスがなかったし、僕のサーブも急激に悪化した。第2セットで3-2のリードを奪った瞬間から、またサーブがうまくいかなくなった。僕のテニスが崩壊したんだ」と敗因を語った。
 
 その後、ジョコビッチは「最終的にはこれがスポーツなのだから、受け入れなければならない」とした上で、「今日は相手の方がいいプレーをしていたし、彼が成し遂げたことを祝福したい。彼のサーブは非常に素晴らしく、彼はコート上でより積極的になることで、すべてを変えた。彼はサーブとリターンで大きな進歩を遂げた」と対戦したズべレフを称賛。
 
 それでも失意の中、インタビューの最後には銅メダル獲得を懸けた31日のパブロ・カレノブスタ(スペイン/15位)との3位決定戦へ向け、前向きな言葉を振り絞った。

「今はまだベストコンディションではないけど、明日はもっと良い状態に持っていきたい。少なくとも明日のチャンスをものにして、セルビアのためにメダルを獲得したいと思う」

 残念ながら年間ゴールデンスラムは消滅してしまったが、2021年に入ってから全豪・全仏・ウインブルドンを制したジョコビッチには、依然として「年間グランドスラム(1年ですべての四大大会を制覇すること)」達成の可能性は残っている。まずは少しでも東京五輪をいい形で締めくくり、年内最後のグランドスラムとなる9月の全米オープンで頂点に立つ姿を見せてもらいたい。

 一方、オリンピックで自身初のシングルス決勝進出を果たしたズべレフは、8月1日に行なわれる決勝で、第12シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/25位)と金メダルをかけて対戦する。

文●中村光佑

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