海外テニス

五輪で感覚を取り戻した錦織圭。「2年ぶりくらいにいい気分になっている」とワシントンでも快進撃続く<SMASH>

中村光佑

2021.08.06

シティー・オープンでベスト8入りを果たした錦織。「この2週間はとてもいい感じで来ている」と自信を深めている。(C)Getty Images

 現地時間8月5日、男子テニスツアーの『シティー・オープン』(8月2日~8日/アメリカ:ワシントンDC/ハードコート/ATP500)は、シングルス3回戦を開催。世界ランク67位の錦織圭は、同29位で第7シードのキャメロン・ノーリー(イギリス)を3-6、6-3、6-3の逆転で下し、同大会3年ぶり5度目のベスト8進出を果たした。

 試合は、今季37勝15敗と好調のノーリーを相手に、錦織が先にリードを奪うが、徐々にラリー戦で主導権を握られ、第1セットを落としてしまう。それでも第2セットでは、安定したプレーを見せるノーリーから第8ゲームで値千金のブレークに成功し、そのままセットオールに。ファイナルセットでは持ち前の攻撃的なストロークで錦織が計3度のブレークを奪い、2時間9分で準々決勝に駒を進めた。

 米テニスメディア『Tennis Now』によれば、今シーズン3度目となるATPツアー8強入りを決めた錦織は、「勝ててとても幸せに思う。このような質の高いプレーを続けることができて、非常にうれしい」と素直に喜びを表現した。
 
 また、今大会が東京オリンピックからわずか中4日でのツアー復帰となったなかで、自身のパフォーマンスにも手応えをつかんでいるようだ。

「ここ2、3か月に比べて、(最近は)アンフォーストエラーが少なくなってきているし、フォアハンドの調子もいいから、以前よりも少しアグレッシブにプレーできるようになった。サーブもうまくいっている。多少の浮き沈みはあるけど、この2週間はとてもいい感じで来ている。手首のケガが回復して、先週は自分のことを初めて強いと感じられたし、今週もそのレベルを維持できていると思う」

 インタビューの最後には「先週の東京オリンピックでの試合から、2年ぶりくらいにこんなにいい気分になっている」と満足気に語った錦織。準々決勝ではベスト4進出を懸け、今年3月のドバイ選手権で敗れた世界50位のロイド・ハリス(南アフリカ)と対戦する。

 ハリスは3回戦で世界3位のラファエル・ナダル(スペイン)に勝利して勢いに乗っており、厳しい戦いが予想されるが、ここを乗り越えれば2019年1月のブリスベン国際以来となる久々のツアー優勝も見えてくるだろう。多くのファンの応援を背に、錦織には何としてもリベンジを果たしてもらいたいところだ。

文●中村光佑

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【動画】錦織がノーリーを破りベスト8入りを決めた瞬間