海外テニス

ベスト4で力尽きた錦織圭だが復活への自信も獲得「今夜と今週のプレーには満足している」<SMASH>

中村光佑

2021.08.08

シティー・オープン準決勝、僅差で敗れた錦織だが、調子が上がっているのは間違いない。全米に向けて期待が高まる。(C)Getty Images

 男子テニスツアーの『シティー・オープン』(8月2日~8日/アメリカ:ワシントンDC/ハードコート/ATP500)は、現地8月7日にシングルス準決勝を行ない、世界ランク67位の錦織圭(日清食品)はノーシードで同107位のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)と対戦。4-6、6-3、5-7のフルセットで敗れ、2019年1月のブリスベン国際以来、約2年半ぶりとなるツアー決勝への進出を逃した。

 今大会が東京オリンピックからわずか中4日でのツアー参戦という強行日程の中、ベスト4へと駒を進めた錦織。だが、やはり体力が限界を迎えていたのか、この試合は序盤から疲労の色を隠せず、マクドナルドにラリーで主導権を握られて第1セットを落とす。それでも第2セットは錦織が粘りを見せて取り返したが、ファイナルセットでは終盤の第12ゲームで痛恨のブレークを喫し、2時間45分で力尽きた。

 試合後、敗れた錦織は終始素晴らしいプレーを見せたマクドナルドについて「彼はいいテニスをしていた」と称賛しつつも、「(自分は)徐々に試合の途中からプレーは良くなっていったけど、スタートが良くなかった。今日は負けたくなかった」と悔しさをにじませた。
 
 それでもハードスケジュールの中で今シーズン初の1大会4勝を挙げたことについては手応えをつかんだようで、「いい1週間だった。今夜と今週の自分のプレーには満足している」と前向きに今大会を振り返った。

 一方、錦織を撃破し、初のツアー決勝進出を果たしたマクドナルドは「精神的によく耐えられた。自分らしいショットを打つことを心掛けた」と勝因を語った上で、「今日の勝利はとても意味のあることだと思う」と喜びを表現した。

 敗れはしたものの、余力を振り絞りながら最後まで戦い抜いた錦織に多くのファンが心を打たれたことだろう。全米オープンを頂点とする北米ハードコートシーズンはまだまだ続くが、調子を上げているのは間違いなく、さらなる飛躍が期待される。

文●中村光佑

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