男子第89回・女子第65回「全日本学生テニス選手権」(インカレ)は8月16日から三重県・四日市テニスセンターで開催。荒天の影響で大会日程は2日延び、24日の各種目決勝をもって幕を閉じた。
男子シングルスは連覇を狙った第1シードの白石光(早大3年)が準々決勝で、関東学生王者の第2シード田形諒平(筑波大4年)が3回戦で敗れる波乱となり、決勝には丹下将太(早大3年)と藤原智也(慶大2年)が駒を進めた。
藤原と言えば、高校時代はインターハイや全日本ジュニアなど主要タイトルを総なめにした逸材。大学入学後はやや影が薄かったが、この日はポテンシャルの高さを存分に見せつけた。パワフルなフォアを軸に攻め立てる丹下に対し、藤原は卓越したコートカバーで受け止め、隙を見つけては強烈なカウンターで逆襲する。第1セットは6-3で藤原。
第2セットは藤原から攻めるパターンも増え、完全にペースを握る。といっても一発でエースを狙うのではなく、相手を立体的に揺さぶってからオープンコートにエースを叩き込むというように、組み立てを考えた試合巧者ぶりが光った。第2セットも藤原が6-2で連取。高校に続き大学でも頂点に立った藤原は「1ポイント1ポイント、集中して取っていっての優勝」と、自身の戦いぶりを振り返った。
女子シングルス決勝は第1シードの平田歩(慶大4年)と今田穂(慶大3年)の慶應対決となった。今田は準決勝で大会連覇を狙った第2シード阿部宏美 (筑波大3年)をファイナル2-5から逆転し、約5時間の激闘を制しての決勝進出だ。
試合は序盤からポジションを上げて左右を突いた平田がペースを握る。平田の強打はタイミング、スピードとも速く、第1セットを6-1で簡単に奪い、そのまま押し切るかに見えた。しかし第2セットから今田は持ち前の粘りを発揮。低く滑るバックハンドスライスとフォアの強打のコンビネーション、そしてネットプレーも絡めるなど、多彩な攻めを見せた今田が7-6(4)でセットを奪い返す。
だが前日の疲労も影響したか、今田の粘りもそこまでだった。「ファイナルセットはしっかり切り替えることができた」と言う平田は再びギアを上げ、先手を取って攻撃。要所で効果的にサービスエースも決まり、6-3で初のインカレタイトルを手にした。
平田もインターハイ優勝者で、大学では1年でインカレ4強入りしたが、頂点に立つのは最後の年となった。「ずっと目標にしていたタイトルなので、すごくうれしい」。試合後は目を潤ませて喜びを噛みしめていた。
なお男子ダブルス決勝は、羽澤慎治/藤原(慶大)が6-4、6-2で河野甲斐/田口涼太郎(近大)を下し、藤原は2冠を達成。同女子決勝は石川琴美/吉岡希紗(早大)が6-2、0-6、[10-8]で永田杏里/平田(慶大)を振り切った。慶應は4種目中3種目を制する大活躍だった。
構成●スマッシュ編集部
男子シングルスは連覇を狙った第1シードの白石光(早大3年)が準々決勝で、関東学生王者の第2シード田形諒平(筑波大4年)が3回戦で敗れる波乱となり、決勝には丹下将太(早大3年)と藤原智也(慶大2年)が駒を進めた。
藤原と言えば、高校時代はインターハイや全日本ジュニアなど主要タイトルを総なめにした逸材。大学入学後はやや影が薄かったが、この日はポテンシャルの高さを存分に見せつけた。パワフルなフォアを軸に攻め立てる丹下に対し、藤原は卓越したコートカバーで受け止め、隙を見つけては強烈なカウンターで逆襲する。第1セットは6-3で藤原。
第2セットは藤原から攻めるパターンも増え、完全にペースを握る。といっても一発でエースを狙うのではなく、相手を立体的に揺さぶってからオープンコートにエースを叩き込むというように、組み立てを考えた試合巧者ぶりが光った。第2セットも藤原が6-2で連取。高校に続き大学でも頂点に立った藤原は「1ポイント1ポイント、集中して取っていっての優勝」と、自身の戦いぶりを振り返った。
女子シングルス決勝は第1シードの平田歩(慶大4年)と今田穂(慶大3年)の慶應対決となった。今田は準決勝で大会連覇を狙った第2シード阿部宏美 (筑波大3年)をファイナル2-5から逆転し、約5時間の激闘を制しての決勝進出だ。
試合は序盤からポジションを上げて左右を突いた平田がペースを握る。平田の強打はタイミング、スピードとも速く、第1セットを6-1で簡単に奪い、そのまま押し切るかに見えた。しかし第2セットから今田は持ち前の粘りを発揮。低く滑るバックハンドスライスとフォアの強打のコンビネーション、そしてネットプレーも絡めるなど、多彩な攻めを見せた今田が7-6(4)でセットを奪い返す。
だが前日の疲労も影響したか、今田の粘りもそこまでだった。「ファイナルセットはしっかり切り替えることができた」と言う平田は再びギアを上げ、先手を取って攻撃。要所で効果的にサービスエースも決まり、6-3で初のインカレタイトルを手にした。
平田もインターハイ優勝者で、大学では1年でインカレ4強入りしたが、頂点に立つのは最後の年となった。「ずっと目標にしていたタイトルなので、すごくうれしい」。試合後は目を潤ませて喜びを噛みしめていた。
なお男子ダブルス決勝は、羽澤慎治/藤原(慶大)が6-4、6-2で河野甲斐/田口涼太郎(近大)を下し、藤原は2冠を達成。同女子決勝は石川琴美/吉岡希紗(早大)が6-2、0-6、[10-8]で永田杏里/平田(慶大)を振り切った。慶應は4種目中3種目を制する大活躍だった。
構成●スマッシュ編集部