海外テニス

「逆に少し開き直ってプレーできた」錦織圭、ファイナルセットの窮地を切り抜けられた理由を語る<SMASH>

中村光佑

2021.09.03

最後は「思い切りやった方がいい」と開き直り、粘るマクドナルドを振り切った錦織。ジョコビッチとの3回戦に駒を進めた。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)は、大会4日目の現地9月2日に男子シングルス2回戦を実施。世界ランク56位の錦織圭が同61位のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)を7-6(3)、6-3、6-7(5)、2-6、6-3のフルセットで下し、3回戦進出を決めた。

 第1セット、錦織は3-5とリードされた直後の第9ゲームで3本のセットポイントを握られながらもこれを凌ぎ、タイブレークを制すると、第2セットも奪って2セットアップとする。第3、第4セットは相手の思い切った攻めに苦戦して失うも、ファイナルセットではギアを上げた錦織が2度のブレークに成功。粘るマクドナルドを振り切り、約4時間の死闘に終止符を打った。

 前哨戦のシティ・オープン準決勝で敗れていたマクドナルドにリベンジを果たした錦織は、試合後のインタビューで「ファイナルセットも1ゲーム目でブレークされてヒヤッとした。後半の彼のプレーが良くなってきていたから、それをどう止めようかというのが、5セット目の鍵だった。彼のフォアハンドの強打が入ってきていた」と特に試合の後半で苦戦を強いられたことを認めた。
 
 その一方で「風がある中で難しかったけど、色んなショットを組み合わせて、僕が自分からちょっとずつ打ち始めて、それが入ってくれて前半からいい流れをつかめた。(5セット目は)最後のセットなので、『思い切りやった方がいいかな』と逆に少し開き直ってプレーできた」と勝因を語った。

 3回戦では現在16連敗を喫している世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する錦織。これについて問われると、「まずは回復して、最近も(東京オリンピックで)負けている相手なので、作戦を練って頑張りたい」と前向きなコメントを残した。アーリーラウンドにして早くも大きな壁が立ちはだかるが、錦織にはジョコビッチの年間グランドスラム阻止を期待したい。

文●中村光佑

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