海外テニス

大坂なおみの心痛を伊メディアも報道「その声は心の闇をうかがわせた」

THE DIGEST編集部

2021.09.05

全米OP3回戦で敗れた大坂。試合後の会見では涙を見せた。(C)Getty Images

 大坂なおみは、光を見出すことができるだろうか。

 9月3日、大坂は全米オープン女子シングルス3回戦でレイラ・フェルナンデスに逆転負けした。第1セットを先取し、第2セットもサービングフォーザマッチを迎えたが、ここで世界73位を相手に勝ちきることができず。ブレークを許し、タイブレークでこのセットを落とすと、第3セットも失った。

 一度は勝利に迫りながら流れを失った大坂は、ラケットをコートに投げつけ、ボールを観客席に叩き込んで警告を受けるなどナーバスに。試合後の会見では謝罪・反省の言葉を口にしたうえで、涙を見せて「しばらくテニスから距離を置きたい」とツアー離脱の可能性を示唆した。

 一連の出来事は世界で報じられており、イタリア『fanpage.it』は「立て続けのミスで、彼女はセンセーショナルな惨敗の重みにつぶされた」と伝えている。
 
「試合を手中にしながら、緊張に耐えられずにそれを逃した。そして会見で崩れ落ちた。感情に飲み込まれ、泣いた。決して目線を上げることなく話した。テーブルをじっと見つつ、その声は彼女を蝕む不安を、世界最強選手のひとりが持っているあの心の闇をうかがわせた」

「オオサカはもう、何が自分なのか分かっていない。どれほど時間が必要かは重要ではない。いつ戻ってくるか、そして戻ってくるのか、彼女には分かっていない」

 全米オープンは大坂が憧れのセリーナ・ウィリアムズに勝利して初めてグランドスラムを制した大会だ。だが、それから3年。大坂は、この大会を機にメンタルヘルスの問題に悩まされてきたと明かした。全仏オープンでの会見ボイコットと大会棄権をはじめ、一連の問題は周知のとおりだ。

 大坂が再び心から笑える日が、少しでも早く訪れるのを願うばかりだ。

構成●THE EDIGEST編集部

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