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東京五輪の再戦!リベンジを狙うジョコビッチは「試合が長引くほどチャンスはある」。対するズベレフも気合十分「完璧な試合をしたい」<SMASH>

中村光佑

2021.09.10

東京五輪の金メダリストのズベレフ(左)と、年間グランドスラムを狙うジョコビッチ(右)が全米OP準決勝で対戦。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)の準決勝の1つのカードが、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と5位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)に決定した。

 このカードは7月の東京オリンピック準決勝と同じで、難攻不落だと思われていたジョコビッチがズベレフに敗れ、「年間ゴールデンスラム」を阻止された試合として記憶している人も多いだろう。

 今大会では1969年のロッド・レーバー氏以来となる「年間グランドスラム」を狙うジョコビッチ。準々決勝に勝利した後の記者会見で苦い経験を味わった東京オリンピックを振り返り、「東京五輪での終わり方は精神的に非常につらいものだった。準決勝までは相手を圧倒していたし、ズベレフとの試合でも6-1、3-2でリードしていた。その時は彼のプレーも良かったが、自分も調子が良かった。でもそこから全てが崩れた。それはときに起こることだが、自分のショットに少し自信を失った。サービスも彼に読まれたからね」とコメント。

 それでもインタビューの最後にはズベレフとの"リベンジマッチ"へ向け、前向きな言葉を残した。

「特に若い選手との対戦では、僕はベスト・オブ・ファイブセットの試合が好きなんだ。何度も大舞台に立った経験が役に立っていると思う。体力的にも誰にも負けないと思っている。試合が長引けば長引くほど、何の問題もないように感じる。他のどの相手よりもチャンスがある。僕は5セット、5時間、どんなことがあっても大丈夫なように準備するつもりでいる」
 
 対するズベレフは、ドイツ人男子選手初となる金メダルを獲得し、公式戦での連勝記録を16に伸ばして勢いに乗る24歳だ。事実上の決勝戦と称されるジョコビッチとの一戦へ、次のように意気込みを語った。

「彼(ジョコビッチ)との試合では、完璧な試合をしなければならないと考えている。できる限りのことをしなければ、勝つことは不可能なんだ。多くの場合、完璧なプレーができないから、彼に勝てない。そういう試合に勝たなければならないし、(できることは)全てやらなければならない。(キーポイントは)彼から主導権を奪い、ポイントを獲得し、アンフォーストエラーをほとんどしないことだね」

 グランドスラムでの経験値が豊富なジョコビッチが年間グランドスラムの偉業達成に王手をかけるのか、それとも絶好調のズベレフが再び世界王者を食い止めるのか、注目の準決勝は日本時間11日の午前8時に開始される予定だ。

文●中村光佑

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【動画】ジョコビッチとズベレフの全米OP準々決勝のハイライト