海外テニス

「L2+左だよ」メドベージェフが勝利の瞬間に見せた“デッドフィッシュ”パフォーマンスが話題<SMASH>

中村光佑

2021.09.14

「優勝したらやろうと思っていた」とパフォーマンスについて説明したメドベージェフ。(C)Getty Images

 現地9月12日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)の男子シングルス決勝で世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)から衝撃のストレート勝利を収め、悲願のグランドスラム初優勝を果たした同2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)。そんな彼が優勝決定の瞬間に見せたあるパフォーマンスがテニスファンの間で話題となっている。

 強烈なサービスでチャンピオンシップポイントを取り切ったメドベージェフは軽く跳ねると、全てを出し切ったかのように身体をくの字にしてコート上にバタリと倒れ、2秒ほどその場で静止した。その際にメドベージェフはカメラ目線で舌を出していたが、すぐに立ち上がり、対戦相手のジョコビッチと熱い抱擁で健闘をたたえ合った。

 ちなみに優勝したメドベージェフは表彰式の中でこの風変わりなパフォーマンスについて「きっとレジェンドの人たちだけしかわからないと思うけど、僕が試合後にしたことは、L2+左だよ」と謎の言葉で説明していた。

 実はこれはプレイステーションのサッカーゲームである「FIFA」で選手がゴールを決めた際に地面に倒れる"デッドフィッシュ(死んだ魚)"と呼ばれるもので、そのデッドフィッシュをするためにはコントローラーの「L2+左」のボタンを押すのだという。
 
 表彰式の直後に行なわれた記者会見でメドベージェフは再び話題沸騰中のデッドフィッシュパフォーマンスについて言及。試合前から優勝決定の瞬間をイメージしていたようで、「あれはFIFAのゲームで対戦相手が知り合いの時によくやる。例えば点を決めて5-0にした時とかにね。一緒にゲームをする若い仲間たちと話していたら、『(優勝が決まった時に)デッドフィッシュをやったら伝説になるよ』って後押ししてくれたんだ。だから優勝したらやろうと思っていた」と語った。

 一方で倒れ込んだのがハードコートだったこともあり、「(コートが硬いから)ちょっと痛かった」とも明かしたメドベージェフ。それでも「いつも一緒にFIFAのゲームをやっている友人と僕にとって特別なことをしたかった。(全米では)優勝できると思っていたからね。自分の中では伝説になったからうれしいよ」と大きな喜びを味わえたようだ。

 デッドフィッシュはユニークな人柄でも多くのファンを魅了しているメドベージェフらしい表現だったのかもしれない。何はともあれ、3度目の挑戦にしてようやくグランドスラムの頂点に立てたことは今後の自信につながるだろう。これから先も更なる活躍を期待したい。

文●中村光佑

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