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海外テニス

「本当にありがとう!」22年ぶりの10代対決となった全米女子決勝はラドゥカヌに軍配!予選からグランドスラム制覇は史上初の快挙<SMASH>

中村光佑

2021.09.12

テニス界に衝撃を与える活躍を見せたラドゥカヌ(右)とフェルナンデス(左)の10代選手2人。(C)Getty Images

テニス界に衝撃を与える活躍を見せたラドゥカヌ(右)とフェルナンデス(左)の10代選手2人。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)は、現地9月11日に女子シングルス決勝を実施。18歳で予選勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/世界ランク150位)が、19歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ/同73位)を6-4、6-3のストレートで下し、イギリス人女子選手44年ぶりとなるグランドスラム優勝を成し遂げた。

 1999年の全米オープン以来、実に22年ぶりとなる10代選手同士でのグランドスラム決勝となったこの試合は、序盤から激しい打ち合いが続き、お互いにブレークを1つずつ取り合う展開に。だが、第10ゲームで攻撃的なリターンを仕掛けたラドゥカヌが値千金のブレークを奪い、第1セットを先取する。

 第2セットでも勢いに乗ったラドゥカヌが第4・第6ゲームでブレークに成功。優勝まであと1ゲームと迫った第9ゲームでは30-40とピンチを迎えたところでラドゥカヌがラリー中にヒザを擦りむいて流血したため、メディカルタイムアウトがコールされ、試合は一時中断。再開後、何とかサービスをキープしたラドゥカヌが1時間51分でグランドスラムの頂点に立った。

 予選3試合を含め、全10試合でストレート勝ちと驚異的な強さを見せたラドゥカヌ。予選勝者の四大大会制覇は男女を通じて史上初の快挙だ。試合後に行なわれた表彰式では初めに「レイラ、準優勝おめでとう。彼女は素晴らしいテニスをしていました。数々のトッププレーヤーに勝ってきました。今後も何度も(ツアーで)対決したいですね」と共に最高峰の舞台で優勝を争った同世代のフェルナンデスを称えた。

 その後、「3週間ニューヨークで過ごしてきました。こんなにチームに支えられてきました。みんな本当にありがとう。会場の皆さんもニューヨークの皆さんもありがとうございました。まるでホームグラウンドのように私を歓迎してくれました。とても難しい時間帯もあったけど、今日こうやって優勝することができました」と感謝の言葉を送った。
 
 一方、あと一歩のところで優勝を逃したものの、今大会ではディフェンディングチャンピオンの大坂なおみ(世界3位)など、3人のトップ10選手を撃破し、連日満員のスタジアムを沸かせたフェルナンデス。

 悔し涙を浮かべながらも「信じられないほど素晴らしい時間でした。今日の敗戦を受け止めるのは大変なことですが、エマもチームの皆さんもおめでとう」と勝者のラドゥカヌを祝福した。

 また最後には、この日開催地のニューヨークが同時多発テロ事件から20年を迎えたことを踏まえ、「ニューヨークのように、この20年間を想う皆さんのように、私も強く生きていきたいと思っています」とメッセージを残した。

 2人のティーンエイジャーによる快進撃は、女子テニス界に新風を巻き起こしただけではなく、多くのファンにも強烈な印象を与えたはずだ。今後も彼女たちの更なる活躍に期待したい。

文●中村光佑

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