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海外テニス

「状況が変わりつつある」ジョコビッチがテニス界の世代交代を語る!「次にプレーする大会は決めてない」<SMASH>

中村光佑

2021.09.15

メドベージェフにストレートで完敗したジョコビッチ。(C)Getty Images

メドベージェフにストレートで完敗したジョコビッチ。(C)Getty Images

 現地時間9月12日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)の男子シングルス決勝は、ダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク2位)に衝撃のストレート勝ちを収めた。

 この一戦で「年間グランドスラム」の偉業達成を逃したのが、世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/同1位)だ。失意に暮れる男は、記者会見で敗戦後の心境を語った。

 偉業が期待されたファイナルでは第1セットから調子が上がらなかった。ラリー戦でもミスが目立ったジョコビッチは精度の高いサービスや粘りのディフェンスを見せるメドベージェフに終始苦戦。グランドスラムでの連勝記録も27でストップしてしまった。

 試合後の会見では「今日はより熱意とエネルギーにあふれた、より良いプレーヤーと対戦しただけなんだ」とメドベージェフを素直に称えたうえで、「もう自分には燃料が残っていなかった」と完敗を認めた。

 男子テニス界は長年にわたりジョコビッチ、ロジャー・フェデラー(スイス/9位)、ラファエル・ナダル(スペイン/6位)の「ビッグ3」が席巻してきた。だが、近年はメドベージェフ(25歳)やステファノス・チチパス(ギリシャ/23歳)、アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/24歳)といった若手選手の台頭が目立っている。
 
 これまでも世代交代が囁かれてきたなかで、次世代のプレーヤーたちに貫禄のプレーを見せつけてきたジョコビッチ。しかし、今回のストレート負けはいよいよその時が来たことを感じさせるものでもあった。

 ジョコビッチ自身も世代交代が刻一刻と近付いていると実感しているようだ。「ベテラン勢は頑張っているし、ビッグ3も生き残っていると思っているけど、最近の若い選手のメジャー大会での活躍は、(テニス界の)状況が変わりつつあることを示している」と語る34歳は、「もちろん彼らが僕たちの跡を引き継ぐことになるだろうし、(むしろ)それが普通だと思う」と続けた。

「彼ら(若手選手たち)はみんないいやつだし、非常に優秀で、質の高いテニスプレーヤーだからね。彼らはコート上でもコート外でも何か良いことを提供してくれるだろう」

 すでに11月にイタリア・トリノで開かれる最終戦への出場権を獲得しているものの、会見の最後には今後の予定について「現状僕には何の計画もない。次はどこでプレーするのか本当に全く決めていないんだ」と明かすジョコビッチ。年間グランドスラムへのプレッシャーも大きかっただけに、やはり相当の疲労が蓄積しているのだろう。まずはゆっくりと休養して心と身体をリフレッシュしてほしい。

文●中村光佑

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