右手首のケガですでに今季終了を発表した男子テニスのドミニク・ティーム(オーストリア/世界ランク8位)が、ATPとWTAが共同で配信している動画『Tennis United』に出演。そのなかで選手のメンタルヘルスの重要性について言及した。
女子テニスの大坂なおみが6月の全仏オープン開幕直前に突如記者会見ボイコットを宣言し、長らく心の病を抱えていたことを明かして以来、アスリートのメンタルヘルスはスポーツ界における重要なテーマとして国内外で様々なメディアが取り上げている。
ティーム自身も2020年に全米オープン優勝を果たして以降、“燃え尽き症候群”のような状態に陥り、今季は序盤から目立った成績を残せていなかった。
そんな自身の経験を踏まえてティームは、「アスリートにとって心の健康が肉体的な健康と同じくらい大切なことだ」と主張。一方でメンタルヘルスには「一種のスティグマ(差別・偏見)が存在する」と語り、徐々に心の不調をオープンにする選手が増えてきている現状については好意的な意見を口にした。
「だんだん状況は良くなってきていると思う。多くのアスリートにとっては、まだ難しい話題だと思うけど、そうであってはいけない。頭の中で何が起こっているのか見えないからといって、全てがうまくいっているわけではないんだ。他の人たちは皆、仕事でも私生活でも、困難に直面しているけど、僕たちテニス選手も、そんな他の人たちと同じように苦しみを味わっている」
そして最後にティームはさらに議論を深めながら選手のメンタルケアを進めていくことの必要性を訴えた。
「世界中を旅して、素敵な街にいて、今はともかく普段は何万人もの観客の前でプレーしているからといって、毎日がハッピーというわけではない。そして、身体的な問題と同じように、精神的な問題についても腹を割って話すべきだと感じる」
たとえ強靭なメンタルが自慢のプレーヤーであっても、裏では何らかの悩みや苦しみを抱えているかもしれない。選手の心のケアが無視される状況はあってはならないものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】強じんな下半身でパワーを生み出す、D・ティームのサービス連続写真
女子テニスの大坂なおみが6月の全仏オープン開幕直前に突如記者会見ボイコットを宣言し、長らく心の病を抱えていたことを明かして以来、アスリートのメンタルヘルスはスポーツ界における重要なテーマとして国内外で様々なメディアが取り上げている。
ティーム自身も2020年に全米オープン優勝を果たして以降、“燃え尽き症候群”のような状態に陥り、今季は序盤から目立った成績を残せていなかった。
そんな自身の経験を踏まえてティームは、「アスリートにとって心の健康が肉体的な健康と同じくらい大切なことだ」と主張。一方でメンタルヘルスには「一種のスティグマ(差別・偏見)が存在する」と語り、徐々に心の不調をオープンにする選手が増えてきている現状については好意的な意見を口にした。
「だんだん状況は良くなってきていると思う。多くのアスリートにとっては、まだ難しい話題だと思うけど、そうであってはいけない。頭の中で何が起こっているのか見えないからといって、全てがうまくいっているわけではないんだ。他の人たちは皆、仕事でも私生活でも、困難に直面しているけど、僕たちテニス選手も、そんな他の人たちと同じように苦しみを味わっている」
そして最後にティームはさらに議論を深めながら選手のメンタルケアを進めていくことの必要性を訴えた。
「世界中を旅して、素敵な街にいて、今はともかく普段は何万人もの観客の前でプレーしているからといって、毎日がハッピーというわけではない。そして、身体的な問題と同じように、精神的な問題についても腹を割って話すべきだと感じる」
たとえ強靭なメンタルが自慢のプレーヤーであっても、裏では何らかの悩みや苦しみを抱えているかもしれない。選手の心のケアが無視される状況はあってはならないものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】強じんな下半身でパワーを生み出す、D・ティームのサービス連続写真