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ワクチン拒否の王者ジョコビッチに“全豪オープン出場禁止”の可能性浮上!<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.10.05

全豪オープン開催のビクトリア州がワクチン接種の義務化を表明したことで、ワクチン否定派のジョコビッチの入国が難しくなりそうだ(写真は今年の全豪優勝時)。(C)Getty Images

 今年の全豪オープンで9度目の優勝と同時に大会3連覇を達成したノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランキング1位)。そんな男子テニス界のスーパースターが、4連覇のかかる2022年大会に出場できない可能性が浮上してきた。なぜなら試合会場のメルボルンがあるビクトリア州が「全スポーツ選手に対して新型コロナワクチン接種の義務化」を表明したからである。

 今回の措置は新たな感染拡大を防ぐことが目的で、オーストラリア・ビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相によれば、対象は125万人でリストにはプロテニス選手も含まれている。しかも2回目の接種を今年11月末までに行なうことが義務付けられており、州首相は「州内での活動希望者のリストに名前が掲載されている人は、10月15日までに1回目の予防接種を受ける必要がある」と述べている。

 ジョコビッチは以前から「ワクチンを接種するかは個人の選択で決めるべき」と主張しており、様々な大会を欠場するリスクがあるにもかかわらず、新型コロナのワクチン接種を拒否してきた。その信念を今後も貫くのであれば、自身にとって最も相性のいい全豪オープンへの道筋が来年に限っては途切れることになる。
 
 現在ジョコビッチの保持するグランドスラム(四大大会)の優勝回数は20回で、これはロジャー・フェデラー(スイス)やラフェル・ナダル(スペイン)と並ぶ史上最多である。34歳という自身の年齢を考えれば、記録更新に残されたチャンスはそう多くはないはず。そう考えるとジョコビッチにとっては非常に難しいかじ取りが求められている。

 ATP(男子プロテニス協会)によれば、男子選手の50%強が今夏までにワクチンの接種を済ませており、WTA(女子テニス協会)も同時期に50%の選手がワクチンを接種した。とはいえ他の競技に比べてテニス選手の接種率は必ずしも高くはないという。そうしたなかで未接種の選手が、全豪オープン出場を視野に入れて駆け込み接種を行なうのか。あるいは2022年シーズン最初のメジャー大会をスルーするのか…。残されている時間は長くない。

構成●スマッシュ編集部

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