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「5万ドルを寄付します」20歳のテニス選手シフィオンテクが、メンタルヘルスをサポートするNPOに寄付を発表<SMASH>

中村光佑

2021.10.12

試合中に思いついたアイデアを即座に実行に移したシフィオンテク。(C)Getty Images

 現在開催中の「BNPパリバ・オープン」(10月6日~17日/アメリカ:インディアンウェルズ/ハードコート/WTA1000)で4回戦進出を果たした女子テニス世界ランク4位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、3回戦で得た賞金の一部をメンタルヘルス専門の非営利団体に寄付すると発表した。

 現地10月10日に行なわれた3回戦でベロニカ・クデルメトワ(ロシア/31位)にストレートで勝利したシフィオンテクは試合終了後に自身のツイッター(@iga_swiatek)を更新。毎年10月10日に設定されている「世界メンタルヘルスデー」にちなみ、「今日の3回戦で獲得した賞金のうち5万ドル(約560万円)をメンタルヘルスサポートを提供するNPOに寄付します」と表明した。

 寄付を決断した理由についてシフィオンテクは試合後の記者会見で「メンタルヘルスへのサポートは、私にとっていつも身近な話題だから、今回初めて何か人の役に立つことをしたいと思った」と説明。

 だが、3回戦の試合途中で思いついたことであったため、具体的にどの団体に寄付するかは決まっていないという。そのため、シフィオンテクはツイッター上でフォロワーに対し「コメントをお寄せいただき、寄付する団体を選定するためのご協力をお願いします」と呼びかけている。
 
 今年6月の全仏オープンで大坂なおみが精神的な問題を理由に突如記者会見ボイコットを宣言して以来、ここ最近はテニス界でもアスリートのメンタルヘルスに言及する選手が増えている。

 ちなみにシフィオンテクもテニスにおける心の健康の重要性について度々語っており、2020年全仏オープンで当時19歳ながらグランドスラム初優勝の快挙達成には、スポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチ氏が大きな助けになったことを明かしていた。

 シフィオンテクは記者会見の中でメンタルトレーニングがもたらす効果について次のようにコメントしている。

「私にとって、あのようなサポートを借りることは常に重要なことでした。なぜなら、精神的な強さがあれば、コート上でも強さを発揮できると考えていたからです。そのような心の助けが必要であれば、それを利用すればいいのです。あなたがその気になれば、そしてあなたが心を開いていれば、それはとても大きな助けになると思います」

 4回戦では第24シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア/29位)と対戦するシフィオンテク。賞金を寄付するNPO団体の決定へ、大会期間中に多くのファンから協力を得られることを祈りたい。

文●中村光佑

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