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海外テニス

【プロの観戦眼13】「3人の中でストロークの質が一番いい」不安要素を払拭し誰が世界2位で終えるのかに注目せよ~近藤大生<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2021.10.29

今季年間グランドスラムを狙っていたジョコビッチ(左上)、全米OP優勝のメドベージェフ(右上)、ズベレフ(左下)、チチパス(右下)。(C)Getty Images

今季年間グランドスラムを狙っていたジョコビッチ(左上)、全米OP優勝のメドベージェフ(右上)、ズベレフ(左下)、チチパス(右下)。(C)Getty Images

 このシリーズでは、多くのテニスの試合をチェックしているプロや解説者に、試合観戦をより楽しむためのヒントを教えてもらう。第13回となる今回も引き続き近藤大生プロに、シーズンも終盤となった今、何に注目して見るといいかを教えてもらった。

「ジョコビッチが(今季中に)戻ってくるなら、メドベージェフとの2強になります。どちらが王者かを決める対決に注目です」

 と近藤プロは語る。世界1位のジョコビッチは、全米オープン後から大会に出場していないが、もしツアーに戻ってきたら、真の王者決定戦となるわけだ。

 この2人が抜き出ている状態ではあるが、対抗できるのは、東京五輪金メダリストのズベレフだと言う。「3人の中でストロークの質が一番いいです。クロスラリーをしても、重さもスピードもズベレフが上です。全米オープンでもジョコビッチはクロスラリーで負けていました。セカンドサービスさえクリアできれば、ナンバー1でしょう」と、評価は高い。
 
 もし、ジョコビッチが戻ってこなかった場合は、『確固たる強さを持つ選手は誰か?』に注目して見よう。ビッグ3のように確実に勝つという領域に到達するには、まだそれぞれに不安要素が存在する。

 ズベレフは前述したセカンドサービス。メドベージェフは、「サービスはいいけれど、全体的に見て強打がありません。動きの良さと粘り強さが持ち味ですが、これでは怖さはない。自分の攻め方を確立していくことです」

 世界3位のチチパスの不安要素は、「プレーの質が安定しないこと」。具体的には、「ネットに出られるのが彼の良さ。加えて、ベースラインより後ろでスピンボールを打てる強さもあります。粘るのか、攻め切るのか、その辺がまだ不安定です。ベースライン付近でのプレーが向上すると、オールラウンドプレーヤーとして、もっと強くなると思います」

 上記の3選手の内、誰が2位の位置を獲得してシーズンを終えるのか。2位だと第2シードが付くため、決勝までジョコビッチとの対戦はない。そのポジション争いと、誰が不安要素を払拭していくのかを興味深く見守っていこう。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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