海外テニス

「メダルを取り戻せて良かった…」ベスニナ安堵。盗まれた五輪メダルがようやく手元に返る<SMASH>

中村光佑

2021.11.04

ベスニナが獲得したリオ五輪女子複の金メダル(左)と東京五輪混合複の銀メダル(右)。無事、手元に戻ってきた。(C)Getty Images

 東京五輪で獲得した銀メダルとリオ五輪で獲得した金メダルの両方を盗まれてしまったロシアの女子テニス選手エレーナ・ベスニナ。そんな彼女が現地時間11月3日に自身のインスタグラム(@vesnushka86)を更新し、ようやくその2つのメダルが手元に返ってきたと明かした。

 事件はベスニナが夫と外食に出かけた9月11日の夜に発生。窃盗団によって自宅金庫内にあった現金や貴金属の全てが盗まれた他、施設の子どもたちに見せるためにスポーツバッグに入れていた、東京五輪・混合ダブルスの銀メダルと、リオ五輪・女子ダブルスの金メダルがバッグごと持ち去られていたのだ。

 だが、盗まれたメダルは9月23日に発見され、ベスニナの住むモスクワの郊外にある検問所に残されていた。照合分析を経てベスニナの元に返ってきた2つのメダルは「宅配業者の人がチョコレートの箱に包んで、夜遅くに花束と一緒に持ってきた」そうだが、その箱の中にはメダルだけではなく、メダル獲得を祝した指輪のようなものも入っていたという。
 
 同投稿では「彼ら(警察)はまだ犯人を捜している」と記されているため、依然として窃盗犯は捕まってはいない。それでもベスニナは血と汗の結晶とも言えるメダルが無事に戻ってきたことにホッとしたようで、「予想外のことで、私は希望を持てませんでしたが、メダルを取り戻せたのは良かった…」と感慨深げにコメントを残している。

 最後にベスニナは「毎日、何千通ものメッセージを受け取っています。皆さんの応援の言葉に感謝しています」とお礼の言葉を送った。

 以前には「盗難事件の捜査が忙しいためでしょうか、いまだに私は何も受け取っていないし、何の確認もできていません」と不安を口にしていたベスニナ。思い出のメダルがなかなか戻ってこなかったことに、心苦しい日々を過ごしていたのだろう。ひとまずは一件落着としたいところだが、一刻も早く窃盗犯の捜査が進展することを祈るばかりだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ベスニナら東京五輪テニス競技のメダリストたち
 
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【画像】メダルが戻ったことを報告するベスニナのインスタグラム