世界ランク6位のラファエル・ナダル(スペイン)は、2022年シーズンの開幕戦となった男子テニスツアー「メルボルン・サマー・セット」(1月4日~9日/オーストラリア:メルボルン/ハードコート/ATP250)で優勝。2009年の全豪オープン以来13年ぶりにオーストラリアの地でシングルスのツアータイトルを獲得した。
決勝後の記者会見では新型コロナウイルスに感染した際の症状を明かすとともに、1月17日から開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)への意気込みを語った。
左足のケガにより昨年8月のシティ・オープンを最後に2021年シーズンを終了したナダルだったが、12月中旬のエキジビジョンマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(アラブ首長国連邦・アブダビ/ハードコート)で復帰。だが、出場した2試合でいずれも敗れ、さらにはスペイン帰国後に行なわれたPCR検査で新型コロナウイルスの陽性が判明した。
その後は自宅で隔離生活を送り、「最初の4日間はひどくて、動くことができなかったんだ。関節痛がひどかった。ソファーに座るか、ベッドに寝るか、身動きがとれない状態だったし、高熱も出た。そのような症状を経てからも3日間はとても疲れていた」とひどい体調不良に見舞われたという。
だが、「検査が陰性となって自宅でトレーニングができるようになり、精神的にもテニスの面でもベストな状態になったと判断した」ために、予定通りオーストラリアで新シーズン初戦に臨む決断したのだそうだ。
迎えたメルボルン大会ではコンディションが心配されていた中で順当に勝ち上がり、現地1月9日に行なわれた決勝では予選勝者のマキシム・クレシー(アメリカ/世界112位)と対戦。タイブレークの接戦の末に第1セットを先取すると、第2セットでは2度のブレークに成功し、優勝トロフィーを手にした。
左足のケガや新型コロナ感染を乗り越え、見事な復活劇を見せてくれた35歳は「サービスもリターンもよかった。ベースラインから自分でポイントを取れて、ボールをうまくコントロールしながらプレーできたと思う。全般的に、準決勝よりも多くのことが良くなっていたし、動きもよりスムーズになっていた。まだ始まったばかりだけど、いいスタートを切れたと思うよ。とても満足している」と喜びのコメント。
最後には開幕まで1週間を切った全豪へ向け、「今のところは自分が全豪の優勝候補者だとは思っていないが、何が起こるかはわからない。スポーツの世界では物事はすぐに変化するからね。今の唯一の目標は自分の道を進み、(全豪までの)1週間で一生懸命トレーニングをして、準備ができているかどうかを確認することだけだ」と締めくくった。
その全豪では男子テニスで世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に次いでオープン化以降2人目となる「ダブルグランドスラム」(全ての四大大会をキャリアで2度以上制覇すること)の偉業達成がかかるナダル。再びテニス界に新たな歴史の1ページを刻むことができるのか注目だ。
文●中村光佑
【PHOTO】あの名シーンも!史上屈指のライバル、フェデラー&ナダルの"若かりし頃"ギャラリー
決勝後の記者会見では新型コロナウイルスに感染した際の症状を明かすとともに、1月17日から開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)への意気込みを語った。
左足のケガにより昨年8月のシティ・オープンを最後に2021年シーズンを終了したナダルだったが、12月中旬のエキジビジョンマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(アラブ首長国連邦・アブダビ/ハードコート)で復帰。だが、出場した2試合でいずれも敗れ、さらにはスペイン帰国後に行なわれたPCR検査で新型コロナウイルスの陽性が判明した。
その後は自宅で隔離生活を送り、「最初の4日間はひどくて、動くことができなかったんだ。関節痛がひどかった。ソファーに座るか、ベッドに寝るか、身動きがとれない状態だったし、高熱も出た。そのような症状を経てからも3日間はとても疲れていた」とひどい体調不良に見舞われたという。
だが、「検査が陰性となって自宅でトレーニングができるようになり、精神的にもテニスの面でもベストな状態になったと判断した」ために、予定通りオーストラリアで新シーズン初戦に臨む決断したのだそうだ。
迎えたメルボルン大会ではコンディションが心配されていた中で順当に勝ち上がり、現地1月9日に行なわれた決勝では予選勝者のマキシム・クレシー(アメリカ/世界112位)と対戦。タイブレークの接戦の末に第1セットを先取すると、第2セットでは2度のブレークに成功し、優勝トロフィーを手にした。
左足のケガや新型コロナ感染を乗り越え、見事な復活劇を見せてくれた35歳は「サービスもリターンもよかった。ベースラインから自分でポイントを取れて、ボールをうまくコントロールしながらプレーできたと思う。全般的に、準決勝よりも多くのことが良くなっていたし、動きもよりスムーズになっていた。まだ始まったばかりだけど、いいスタートを切れたと思うよ。とても満足している」と喜びのコメント。
最後には開幕まで1週間を切った全豪へ向け、「今のところは自分が全豪の優勝候補者だとは思っていないが、何が起こるかはわからない。スポーツの世界では物事はすぐに変化するからね。今の唯一の目標は自分の道を進み、(全豪までの)1週間で一生懸命トレーニングをして、準備ができているかどうかを確認することだけだ」と締めくくった。
その全豪では男子テニスで世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に次いでオープン化以降2人目となる「ダブルグランドスラム」(全ての四大大会をキャリアで2度以上制覇すること)の偉業達成がかかるナダル。再びテニス界に新たな歴史の1ページを刻むことができるのか注目だ。
文●中村光佑
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