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海外テニス

ナダルがメドベージェフを大逆転で破り全豪オープン制覇!単独最多となるグランドスラム21勝目を飾る<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.01.30

2セットダウンからメドベージェフを逆転したナダル。新記録のグランドスラム21勝目に加え、ダブルグランドスラムも達成した。(C)Getty Images

2セットダウンからメドベージェフを逆転したナダル。新記録のグランドスラム21勝目に加え、ダブルグランドスラムも達成した。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全豪オープン」(1月17日~30日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)は現地30日に大会最終日を迎え、男子シングルス決勝が行なわれた。全豪初優勝を目指す第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク2位)と、グランドスラム単独最多の21勝目を狙う第6シードのラファエル・ナダル(スペイン/5位)が対戦。ナダルが2-6、6-7(5)、6-4、6-4、7-5の大逆転で勝利し、見事新記録を達成した。

 過去の対戦成績で3勝1敗とリードするナダルだが、ここ3戦はフルセットの接戦で、直近の2020年ATPファイナルズでは苦杯をなめている。この日も試合中盤まではメドベージェフに押される展開だった。極端にベースラインから下がることが多いメドベージェフだが、ポジションを前気味に取り、ナダルに時間を与えない。早いタイミングで打ち込み、ナダルのミスを誘うとともに、自らは精度の高いショットでミスを抑え、第1セットは6-2でメドベージェフが先取した。

 第2セット、ナダルはスライスやドロップショットでメドベージェフのリズムを崩し、スピンの強打もより広角に散らして流れをつかむ。第4ゲームで初のブレークに成功。しかし1stサービスの確率が53%と上がらないナダルは突き放せず、試合はブレーク合戦に。1ブレークずつし合った後、5-3ナダルのサービスではセットポイントをつかむも、そこを逃すと、以降はメドベージェフが立ち直り、タイブレークを制して第2セットも連取。

 それでもナダルは諦めない。第3セットに入るとナダルのサービスが82%と回復。第6ゲームでは0-40の窮地からサービスキープする粘りを見せ、第9ゲームでは鮮やかなバックハンドパスを決めてメドベージェフのサービスをブレーク。全く疲れを感じさせない闘志と動きで、6-4とセットを奪い返す。
 
 第4セットもナダルの勢いは止まらない。コーナーに計ったようにボールを散らし、開いた穴に強打を突き刺す本来の形に加え、ネットも交えて主導権を奪ったナダルは、第3ゲームでブレークに成功。すぐブレークバックされるが、第5ゲームでは7本目のブレークポイントで執念の再ブレークを果たし、6-4でセットオールに持ち込んだ。

 第5セットは互いが死力を尽くしての激闘に。先にチャンスをつかんだのは無尽蔵とも言えるスタミナを誇るナダルだ。前のセットからチェンジエンド時に左足のマッサージを受けていたメドベージェフは、最後の局面で動きがやや鈍り、ミスが増えた。逆にナダルは縦横無尽にコートを走り回り、驚異的なウイナーを連発。第5ゲームで渾身のフォアハンド・ダウンザラインのパスを抜き、ブレークを果たした。

 メドベージェフも第10ゲームの土壇場でブレークバックに成功し5-5に追いつくが、ナダルは気落ちせず続くゲームを再びブレーク。最後はきっちりキープして7-5とし、5時間24分に及ぶ激闘に終止符を打った。

 ナダルはジョコビッチ(セルビア/1位)、フェデラー(スイス/17位)と並んでいたグランドスラムタイトル数を21に伸ばすとともに、全豪で2度目の優勝を果たし、全ての大会を2度以上制する“ダブルグランドスラム”も達成した。オープン化以降ではジョコビッチと2人だけしか記録していない快挙だ。

 現在35歳のナダル。昨年ケガで戦列を離れた時には引退も考えたと言うが、大舞台での強さは相変わらずだ。来たる全仏オープン(5月22日~6月5日/フランス・パリ)では、得意のクレーでGSタイトルの記録をさらに伸ばすことも期待される。ナダルのカムバックで2022年シーズンの興味がまた1つ増えた。

構成●スマッシュ編集部

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド
 

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