専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

キリオス/コキナキスが豪州ペアとしてウッディーズ以来の全豪制覇!親友ならではの連係を見せ「これまでで一番うれしい優勝」<SMASH>

中村光佑

2022.01.30

1980年大会以来の“オールオージー対決”を制して頂点に立ったコキナキス/キリオス。共に初のグランドスラムタイトル獲得だ。(C)Getty Images

1980年大会以来の“オールオージー対決”を制して頂点に立ったコキナキス/キリオス。共に初のグランドスラムタイトル獲得だ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全豪オープン」(1月17日~30日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)は現地29日に男子ダブルス決勝を実施。ニック・キリオス(オーストラリア/ダブルス世界259位)/タナシ・コキナキス(オーストラリア/同434位)が、同郷ペアのマシュー・エブデン(同55位)/マックス・パーセル(同34位)を7-5、6-4のストレートで下し、グランドスラム初制覇を果たした。

 今大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場したキリオス/コキナキス。地元ファンの大歓声を受けながら、2回戦では第1シードのニコラ・メクティッチ(クロアチア/同1位)/マテ・パビッチ(クロアチア/同2位)、準決勝では第3シードのマルセル・グラノラーズ(スペイン/同7位)/オラシオ・ゼバリョス(アルゼンチン/同6位)を破る快進撃で決勝へ駒を進めていた。

 同日の女子シングルス決勝では世界No.1のアシュリー・バーティーがオーストラリア勢44年ぶりとなる全豪優勝を達成。その興奮が冷めやらぬ中、1980年大会以来の同胞対決となったエブデン/パーセルとの決勝は、序盤から互いにサービスキープが続く拮抗した展開に。だが、迎えた第10ゲームでキリオス/コキナキスが3度のデュースを経て値千金のブレークを奪い、第1セットを先取する。

 勢いに乗るキリオス/コキナキスは持ち味の強烈なストロークで主導権を握り、第7ゲームで先にブレークに成功。サービングフォーザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームをラブゲームキープで締めくくった。
 
 全豪男子ダブルスで地元選手ペアによる優勝は1997年大会のトッド・ウッドブリッジ/マーク・ウッドフォード以来となる約25年ぶりの快挙だ。キリオスは母国開催となったグランドスラムで親友のコキナキスと共に頂点に立てたことに、この上ない喜びを感じているようだ。

「俺はこれまでツアーで素晴らしいタイトルを獲得し、素晴らしい試合をしてきた。でも、俺にとっては、このダブルスでの優勝が一番うれしい。先日他の誰とも一緒になりたくないと言ったのは、コック(コキナキスの愛称)と一緒に優勝すれば何か特別なものになると思っていたからだ。この1週間、チームと共に献身的にやってきたことを誇りに思う。とにかく本当にうれしい」

 一方のコキナキスも「信じられない夏を過ごせたと思う。この数年で味わってきた苦労を考えれば、これ以上は何も望めない。アデレードでのシングルスタイトル獲得は自分の中で一番の勝利だったが、今回の優勝はそれを明らかに上回った。8歳の時から知っている仲間と一緒にグランドスラムのチャンピオンになり、多くの素晴らしいことを経験して、本当に信じられない」と感慨深げにコメントを残した。

 親友ならではの抜群のコンビネーションを見せ、最高峰の舞台で優勝トロフィーを掲げたキリオスとコキナキス。本職のシングルスでもお互いに切磋琢磨しながら、さらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】キリオスら、プレーの合間に垣間見えるトッププロの素顔
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号