海外テニス

野次だけが理由じゃなかった?大坂なおみが明かした涙のワケ「頭に浮かび、何度も再生されてしまった」

THE DIGEST編集部

2022.03.13

下を向いて会場を去った大坂。彼女は試合後に涙の理由を明かした。(C)Getty Images

 思わず涙がこぼれた。

 現地時間3月12日、テニスのBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、WTA1000)は、女子シングルス2回戦が行なわれ、世界ランク78位の大坂なおみ(フリー)は、第21シードのポリーナ・クデルメトワ(ロシア)に0-6、4-6で敗れた。

 元女王の敗退。それ以上に試合後に大きくクローズアップされたのは、第1ゲーム終了後のワンシーンだ。観客席から女性の声で「ナオミ、最低!」というヤジが飛ぶと、大坂は主審に詰め寄ったのである。

 動揺を隠しきれずにベンチで大坂は涙をぬぐった。だが、試合は続行された。米放送局『Fox Sports』によれば、抗議を受けた主審は「もしも、また起きたら我々は試合を止める。そして声の主を探す」と答えたという。

 感情を抑えながらも懸命なプレーを続けた。それでもクデルメトワにストレート負けを喫した24歳は、試合後のフラッシュインタビューで、「まずは彼女(クデルメトワ)におめでとうと言いたい」と語ったうえで、涙した理由を明かした。

「前にも罵声を浴びたことがある。だから、正直言って、その言葉自体は気にはならなかった。だけど、前にセリーナとビーナスがここでヤジを浴びせられるビデオを見たことがあって、それが頭に浮かび、何度も再生されてしまったわ。まだ見たことがない人はその動画を見た方がいい」

 声を震わせながら、自身の想いを語った大坂は、「(涙が出た)理由はわからない。とにかく泣かないようにはした。ありがとうとおめでとうは言いたい」とも語り、うつむきながらに、会場を去った。

構成●THE DIGEST編集部