今月２日まで行われていた女子テニスツアー、マイアミオープンで大坂なおみは準優勝という結果を残し、世界中から称賛の声に包まれた。決勝では、第２シードのイガ・シフィオンテク（ポーランド）に敗れたものの、セミファイナルでは東京五輪金メダリスト、ベリンダ・ベンチッチ（スイス）に競り勝つなど、大坂らしい躍動感あふれるプレーを披露している。

　３月に開催されたBNPパリバ・オープンでは試合中、観客席から罵声を浴びたことによりコート上で涙を流し大きく動揺する姿が見られ、試合後もインタビューで心境を吐露。精神面を問う声なども聞かれるなど、ネガティブな話題で覆われたまま大会を後にした。
【PHOTO】全豪オープン2022で活躍した女子選手の厳選ショットを一挙公開！ 　昨年の休養以降、マイアミでは久しぶりに力強い動きを見せたものの、心身の繊細さがクローズアップされている大坂に対し、欧州メディアを通じてテニス界の大物OBが思いのたけを語っている。

「私たちは皆、ナオミ・オオサカのファンであり、彼女のハイレベルなテニスとグランドスラムでの優勝を見てきた」
　そう語るのは、1970年代から80年代にかけ女子テニス界を牽引した元プロテニスプレーヤー、クリス・エバート（アメリカ）だ。仏スポーツメディア『EUROSPORT』ではエバート氏が語った、大坂なおみへのコメントを報じており、大坂の心に寄り添う言葉を並べるとともに、さらなる奮起を促している。

　その中でエバート氏は「多くの栄誉を手にしたことで（世間からの批判など）成功の落とし穴を避けることはできない。そのことを理解し、打たれ強さを身につけ、ベストを尽くす必要がある」と大阪の立場を慮った。その上で、「しかし、誰かがあなたを非難したり、攻撃したりしても、それは彼らの問題であることに気づかなければならない。あなたの問題ではない」と述べている。

　また同メディアも「テニス界の伝説的存在であるクリス・エバートはナオミ・オオサカを支持し、自身にかかる重圧と期待に対処できるよう望んでいる」と強調し、大坂の今後への期待を示した。

記事の中では他に、来月開催の全仏オープンへ向け「良い結果を得るために必要なことは何でもするつもり。結果がすべてではないが、いい結果を出したいと思っています」と、大坂の意気込みも綴られている。

　世界の頂点を争う存在としてさまざまな試練に直面しながらも、多くの人々のサポートを受け、前を向く大坂なおみ。これからもその姿を追い、声援を送り続けたい。

構成●THE DIGEST編集部

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