海外テニス

1回戦で西岡と対戦するジョコビッチ。昨年優勝した全仏OP出場に「モチベーションが上がっている」<SMASH>

中村光佑

2022.05.23

連覇に意欲を見せるジョコビッチ。西岡との1回戦は5月24日午前3時45分以降に行なわれる。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスのワクチン未接種の関係で、今季は出場できる大会が制限されている男子テニス現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。5月22日に35歳の誕生日を迎えたばかりの鉄人が、「全仏オープン」(5月22日~6月5日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)の開幕に先駆けた記者会見で今大会の抱負を語った。

 昨年の全仏で「ダブルグランドスラム(全ての四大大会を複数回制覇すること)」の偉業を成し遂げたジョコビッチ。ディフェンディングチャンピオンとして臨む本大会の初戦では、世界94位の西岡良仁と対戦する。

 ジョコビッチと西岡は19年のデビスカップ(国別対抗戦)、20年の全豪オープン3回戦で対戦しており、いずれもジョコビッチがストレートで西岡に勝利している。それでも35歳のレジェンドは「これまで右利きの選手とばかり練習してきたから、左利きとの対戦は難しくなる」と西岡への警戒感を示した。

 オーストラリア入国問題をめぐり、4連覇のかかっていた今年1月の全豪オープンの欠場を余儀なくされたジョコビッチは、今回の全仏が今季初のグランドスラム出場となる。前哨戦のイタリア国際で優勝し、徐々に調子を取り戻しているとはいえ、やはり体力的な面で不安要素があるのも事実だ。

 それでもジョコビッチは「どのグランドスラムのトーナメントでも、僕は常に優勝争いに加わっていると感じている。もちろん、(今年の全仏は)ディフェンディングチャンピオンとして、もう一度やり直せるとも信じている」と強気のコメント。

 また「優勝した昨年大会のことを思い出すと、鳥肌が立つとともに、それを再現しようとモチベーションが上がっている」とも語り、大会連覇へ向けてふつふつと闘志を燃やしているようだ。
 
 ジョコビッチは順当に勝ち上がった場合、準々決勝では全仏13度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン/5位)と、準決勝では今季だけでツアー4勝を挙げている19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/6位)と対戦する可能性がある。

 ちなみにジョコビッチは5月初旬に出場したマドリード大会の準決勝でアルカラスに逆転で敗れており、凄まじい勢いで成長を続ける19歳の俊才を「全仏の優勝候補だ」と認めている。

 一方でジョコビッチは「誰が優勝するかはわからない」として、会見を次のように締めくくった。

「グランドスラムはプレーヤーのモチベーションと感情を呼び覚ますものだと思う。多くの選手にとって、グランドスラムで勝つことは夢なんだ。だから誰も過小評価してはいけないし、他の大会での選手たちのパフォーマンスと、グランドスラムでの潜在的なパフォーマンスとを比較してはいけないと思う」

 なおジョコビッチと西岡の1回戦は日本時間5月24日の午前3時45分以降にセンターコートで行なわれる予定だ。この対決には日本のファンからもすでに大きな注目が集まっている。

文●中村光佑

【PHOTO】全仏オープン2021で活躍した男子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!