身長は、2年前より3センチ伸びて、現在は173センチ。その長身をしならせ打ち込むサーブは、インパクト音だけで、彼女の“資質”を物語る。
全日本ジュニアテニス選手権を制し、ITF国際ジュニアのタイトルも複数持つ石井さやかが、今年の全仏オープンジュニアでグランドスラムデビュー。初戦で第12シード選手に4-6、5-7で敗れたものの、高いポテンシャルを示した。
昨夏の全日本ジュニア優勝を置き土産にするように、石井は昨年9月から、練習拠点を米国フロリダ州のIMGアカデミーに移してている。
「海外拠点でやりたい」という本人の希望に、彼女を支援する人々のサポート体制、そしてアカデミーサイドの情熱という、全てが合致しての旅立ちだった。
IMGアカデミーに移ってからは、「トレーニングは日本より頻度や強度が高くなり、練習も自分の足りないところにフォーカスできている」と言う。アメリカの生活にも、すでに「慣れました」と笑顔。もっとも食事に関しては、やや言葉を濁しはしたが……。
IMGのコーチ陣も、この半年間ほどの石井の成長に太鼓判を押す。「ボールを打つ能力は高い。フットワークも良くなった」。そして、「なにより素晴らしいのは、彼女のテニスへの姿勢」だと続ける。
「とても練習熱心で向上心があり、謙虚」。それこそが、コーチ陣が最も高く評価する石井の資質のようだ。
今回の全仏オープンジュニアデビュー戦敗戦後にも、石井の「向上心があり、謙虚」な姿勢は示された。
相手のバックハンドが良いことを認識し、第2セットはフォアサイドを狙って5-2のリードに成功。リターンゲームで2本のセットポイントを手にしたが、そこを逃し悔しい敗戦となった。
ただそれでも、敗戦直後にもかかわらず、石井は冷静に件の場面を振り返る。「相手が、バックサイドへのキックサーブがすごくうまくて。心境的には、悔しいというか、あそこを取ればなというのはありました」
リードを奪いはしたものの、相手が徐々に適応してきたことも、戦いながら感じたという。日本の同世代と戦っていた時は、「深いボールで相手を振り回し、決めていく自分のプレー」で勝ってきた。ただ最近は、もう一歩踏み込んだスタイルを「探し中」。
「今回みたいに負けると、もうちょっと自分で改善するところがある」と感じているという。
その新たなスタイルを探す上でも、初めて訪れたグランドスラムの舞台は、モチベーションとインスピレーションを彼女に与えてくれたようだ。
「すごい緊張はしました。思ったより試合を観ている人も多いし、やっぱりここの雰囲気は他の会場と全然違う。今回初めてこの舞台でプレーしてみて、こういう感じなんだってわかったのは良い経験になったし、またここでプレーしたい」
目にするすべてを成長の糧として、夢の階段を上っていく。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】グランドスラムってこんな感じ!大会スナップ写真をお届け!
全日本ジュニアテニス選手権を制し、ITF国際ジュニアのタイトルも複数持つ石井さやかが、今年の全仏オープンジュニアでグランドスラムデビュー。初戦で第12シード選手に4-6、5-7で敗れたものの、高いポテンシャルを示した。
昨夏の全日本ジュニア優勝を置き土産にするように、石井は昨年9月から、練習拠点を米国フロリダ州のIMGアカデミーに移してている。
「海外拠点でやりたい」という本人の希望に、彼女を支援する人々のサポート体制、そしてアカデミーサイドの情熱という、全てが合致しての旅立ちだった。
IMGアカデミーに移ってからは、「トレーニングは日本より頻度や強度が高くなり、練習も自分の足りないところにフォーカスできている」と言う。アメリカの生活にも、すでに「慣れました」と笑顔。もっとも食事に関しては、やや言葉を濁しはしたが……。
IMGのコーチ陣も、この半年間ほどの石井の成長に太鼓判を押す。「ボールを打つ能力は高い。フットワークも良くなった」。そして、「なにより素晴らしいのは、彼女のテニスへの姿勢」だと続ける。
「とても練習熱心で向上心があり、謙虚」。それこそが、コーチ陣が最も高く評価する石井の資質のようだ。
今回の全仏オープンジュニアデビュー戦敗戦後にも、石井の「向上心があり、謙虚」な姿勢は示された。
相手のバックハンドが良いことを認識し、第2セットはフォアサイドを狙って5-2のリードに成功。リターンゲームで2本のセットポイントを手にしたが、そこを逃し悔しい敗戦となった。
ただそれでも、敗戦直後にもかかわらず、石井は冷静に件の場面を振り返る。「相手が、バックサイドへのキックサーブがすごくうまくて。心境的には、悔しいというか、あそこを取ればなというのはありました」
リードを奪いはしたものの、相手が徐々に適応してきたことも、戦いながら感じたという。日本の同世代と戦っていた時は、「深いボールで相手を振り回し、決めていく自分のプレー」で勝ってきた。ただ最近は、もう一歩踏み込んだスタイルを「探し中」。
「今回みたいに負けると、もうちょっと自分で改善するところがある」と感じているという。
その新たなスタイルを探す上でも、初めて訪れたグランドスラムの舞台は、モチベーションとインスピレーションを彼女に与えてくれたようだ。
「すごい緊張はしました。思ったより試合を観ている人も多いし、やっぱりここの雰囲気は他の会場と全然違う。今回初めてこの舞台でプレーしてみて、こういう感じなんだってわかったのは良い経験になったし、またここでプレーしたい」
目にするすべてを成長の糧として、夢の階段を上っていく。
現地取材・文●内田暁
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