海外テニス

世界10位のベレッティーニが右手の手術から3か月ぶりに戦線復帰。接戦を制し「体調も体力もいい感じ!」<SMASH>

中村光佑

2022.06.09

復帰戦を白星で飾ったベレッティーニ。「精神面で簡単な試合ではなかった」というが接戦をモノにした。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「ボス・オープン」(6月6日~12日/ドイツ・シュツットガルト/グラスコート/ATP250)は現地6月8日にシングルス2回戦が行なわれ、右手のケガにより約3か月にわたってツアーを離れていた世界10位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア)が復帰。同121位のラドゥ・アルボット(モルドバ)を6-2、4-6、6-3で下し、復帰戦を白星で飾った。

 今シーズンは1年最初のグランドスラムとなった1月の全豪オープンでベスト4進出を果たし、好スタートを切った26歳のベレッティーニ。ところがその後は右手のケガに悩まされ、3月末には同箇所の小規模の手術を決行。5月中旬には自身のSNSを通じて「グラスコートシーズンから復帰することにしました」と報告し、先週のテニス四大大会「全仏オープン」を含めたクレーシーズンの全大会を欠場した。

「一番好きなんだ」と語る芝コートで迎えたこの日の初戦。ベレッティーニは序盤からブランク明けとは思えない力強いプレーを披露。持ち味の強烈なサービスとストロークを軸に第1ゲームから3ゲームを連取し、第8ゲームでもブレークに成功して幸先よく第1セットを先取する。
 
 だが第2セットは拮抗した展開の中、第7ゲームでブレークを許してセットオールに持ち込まれる。それでもファイナルセットでは第4ゲームで先にブレークを果たし、そのリードを守り切って1時間53分で勝利を収めた。

 試合後のインタビューでは「特にメンタルの面で簡単な試合ではなかった。たくさんプレーしていないと、少々リズムを崩してしまうものだ。だから、第2セットでは少し苦労した」と久々の実戦を振り返ったベレッティーニ。

 その一方で「手術した後だったから、3セットもプレーできてとてもハッピーだよ。第3セットの最初の方では一生懸命戦った。自分はここで戦わなければならないと思ったし、それをやり遂げることができてうれしいよ」と素直に喜びを表現した。また「身体の調子はいい。体力的にもいい感じだ!」と自身のパフォーマンスに手応えを感じていた。

「最初の重要なステップ」と称した初戦を突破したベレッティーニは3回戦で、ロレンツォ・ソネゴ(イタリア/32位)とヤン-レナード・ストルフ(ドイツ/103位)による2回戦の勝者と対戦する。さらなる自信を得るために、今大会は一つひとつ勝利を積み重ねていきたいところだ。

文●中村光佑

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