国内テニス

伊達公子さんがカウンターパンチの醍醐味を伝授「プレーの幅が広がります」<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.06.15

キャンプでは川田真琴トレーナーの元、フィジカルの指導も行なわれる。2期生の古谷ひなた、木河優、網田永遠希、岸本聖奈、林妃鞠、石井心菜、添田栞菜、伊達公子さん。写真:滝川敏之

 ジュニア育成プロジェクト「リポビタン presents 伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」2期生の第5回キャンプが、6月14日、15日の2日間にわたり神奈川県・荏原湘南スポーツセンターにて行なわれている。

 初日となる6月14日は、主にカウンターパンチとダブルスについての指導。伊達さんは、「世界で見たら私は身体が大きい方ではなく、自分からの出力がない方なので、カウンターパンチは1つ強みを出す上で必要なショットでした」と言う。

 カウンターパンチとは、例えばバックハンドのクロスから、相手に空いているフォアサイドに打たれて(または打たせて)、そのボールに追いついてフォアでクロスに決める起死回生のショットだ。

「苦しいラリー戦になった時に、どこに打たれたボールをどう打てばいいのか、得意なパターンがあると、守備的な状態から攻撃に切り替えられます」と、カウンターパンチは試合を組み立てる上で大切なショットであることを説明。ジュニアたちは、重要なショットを手に入れるべく、身体の使い方から練習に取り組んだ。

 挑戦してみて木河優は、「いつもは、ああいうボールを打たれた時、ストレートに打って、その後オープンに打たれて決められることが多かったんです。それをショートクロスに打って決めにいくのは、1つのアイデアとしてあるなと思いました」と、これから練習して取り入れていきたいと言う。
 
 古谷ひなたは、「いつもはロブで逃げて、結局長いラリーになることがあります。今日のショットだと短いポイントにしていけると思いました」と、カウンターショットが有効だと感じた様子。

 タイミングが大事なショットで、その感覚が得られるようになると、「ピタッと合った時の手応え、決まった時のカウンターの醍醐味」を味わえるようになると言う伊達さん。「相手にオープンに打たせてカウンターで切り返すことができると、プレーの幅が広がります」

 ピンチを救う場面だけではなく、意図的に相手にオープンに打つように誘導しカウンターで仕留めることができるようになれば、組み立ての面白さがわかるようになるのではないかと言う。

 まずは、相手に攻められた時にしのぐパターンの1つにカウンターパンチを加えられるように、感覚を身に付ける必要がある。その後は、カウンターパンチを自分のポイントを取るパターンに加えられるように、組み立てを考えていくといいだろう。組み立てでポイントを取る面白さを知れば、日本人選手に必要不可欠なクレバーなテニスに一歩近づけそうだ。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子