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19歳アルカラス、ウインブルドン初の16強入り!「より快適にプレーできるようになった」と芝コートにも順応<SMASH>

中村光佑

2022.07.02

前哨戦を欠場したことで芝コートへの順応が懸念されたアルカラスだが、ウインブルドンでは試合を重ねるごとに動きを良くしている。(C)Getty Images

 テニス四大大会「ウインブルドン」は現地7月1日に男子シングルス3回戦が行なわれ、今季だけでツアー4勝を挙げている19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク7位)が登場。第32シードのオスカー・オッテ(ドイツ/同36位)を6-3、6-1、6-2で下し、同大会初となるベスト16入りを決めた。

 ウインブルドン初出場を果たした昨年大会では、初戦で内山靖崇(現196位)にフルセットで勝利したものの、2回戦で現世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア)に完敗を喫したアルカラス。

 四大大会初優勝を目指す今大会はヤン・レナード・ストルフ(ドイツ/155位)との初戦をフルセットの接戦の末に突破すると、2回戦ではタロン・フリークス・ポール(オランダ/53位)にストレートで勝利。自身初の3回戦へと駒を進めていた。

 右ヒジに不安を抱えながらも徐々に調子を上げているアルカラスは「今日は信じられないプレーができたよ」との言葉通り、序盤から完璧なプレーを披露。試合開始直後の第1ゲームでいきなりブレークを果たすと、第9ゲームでは2度目のブレークを奪って幸先よく第1セットを先取する。

 勢いの止まらないアルカラスは、第1ゲームから5ゲームを連取して早くも2セットアップとし、勝利に王手をかける。迎えた第3セットでも2度のブレークに成功し、わずか1時間38分の快勝劇で4回戦進出を果たした。

 ちなみに19歳66日でのウインブルドンベスト16入りは、2011年大会で18歳にして準々決勝に進出したバーナード・トミック(オーストラリア/現505位〕以来となる最年少での快挙だ。

 またしてもテニス界に新たな歴史を刻み込んだ超新星は、試合後のインタビューで高い技術を要する芝のサーフェスにもしっかりと適応できていることを踏まえ、次のように自身の成長を喜んだ。
 
「1回戦の時よりも、今の方が芝でプレーしやすいと感じる。トレーニングや試合をするたびに、より快適にプレーできるようになった。次のラウンドではもっと快適にプレーできるようになると思うよ。毎日、芝でいいプレーをするための準備はできていると感じているんだ」

 そんなアルカラスの4回戦の相手は、同世代で類まれなるポテンシャルを発揮している世界13位のヤニック・シナー(イタリア/20歳)だ。両者は昨年11月の「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/インドアハード/ATP1000)2回戦で1度対戦しており、この時はアルカラスがストレートで勝利した。

 インタビューの最後でアルカラスは「彼は信じられないようなプレーをする。彼は芝コートで素晴らしいレベルで戦っていて、ここでも良い試合をしたことがある」とシナーを称賛しつつも、「もちろん楽しむつもりだよ。ヤニックとの対戦はいつもタフだけど、僕はそういった試合やチャレンジが好きなんだ」と大一番を迎える次戦への意気込みを語った。

 テニスの聖地で実現する「次期王者候補対決」は果たしてどちらに軍配が上がるのだろうか。すでに多くのファンから注目が集まっている。

文●中村光佑

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