大詰めを迎えているテニスの四大大会「ウインブルドン」は現地7月9日に女子シングルス決勝が行なわれ、第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア/世界ランキング2位)と第17シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン/同23位)が対戦。リバキナが3-6、6-2、6-2で勝利し、23歳で初のグランドスラムタイトルを手にした。
今大会の2人は共に“GS初”が付く記録づくし。ジャバーは男女を通じてアラブ人初のベスト4入りと、アフリカ人女子選手として初の決勝進出を達成。「アラブやアフリカの選手がもっと出てきてほしい。これがみんなへの刺激になれば」と誇りを胸に秘めている。
一方のリバキナもカザフスタン勢として初めてGS4強をマーク。23歳のリバキナはロシア・モスクワ出身だが、選手活動の資金に苦労し、4年前に支援を申し出たカザフスタンに国籍を変更した。「自分が歴史を作っているんだと思うと、本当にすごいこと」と、今回の快進撃を受け止めている。
2人の過去の対戦成績はジャバーの2勝1敗だが、直近の昨年秋の対戦はリバキナの途中棄権で、内容的にはほぼ互角。強打にスライスやドロップショットを頭脳的に混ぜるジャバーと、一撃必殺の高速フォアハンドとサービスを武器にするリバキナはプレースタイル的にも甲乙つけがたく、興味深い対戦となった。
決勝はまずジャバーがペースをつかむ。スライスで相手のペースを崩してミスを誘い、第3ゲームでジャバーがブレーク。積極的に叩くリターンと、低く滑るスライスが効果的な緩急となり、リバキナの武器であるフラットの強打を封じ込める。リバキナはサービスにも乱れが出て第9ゲームもダウン。オールキープのジャバーが6-3で第1セットを先取した。
しかし第2セットはリバキナが主導権を奪い返す。フォアハンドのキレが出てきたリバキナは第1ゲームでいきなりブレーク。ポジションを上げ続けて攻めるリバキナは、動きも目に見えて良くなり、ジャバーのドロップショットにもよく追いついて逆襲する。第5ゲームでもブレークに成功したリバキナ。自身のサービスでは4度のブレークポイントを全て凌ぐ粘りも見せ、6-2でセットを取り返した。
第3セットもリバキナの流れは変わらない。低弾道のフラット系ストロークをコートに突き刺し、第1ゲームからブレーク。3-2で迎えた第6ゲームのサービスでは、ドロップショットやトップスピンロブなど持てる技術を総動員したジャバーに0-40とリードされるが、驚異的な粘りでキープに成功。これで試合の大勢は決まった。リバキナはネットも絡めてさらに攻勢に出て、続くジャバーのサービスをブレーク。最後は自分のサービスをきっちりキープし、1時間47分の熱戦を制して頂点に立った。
リバキナはこれがキャリア3つ目のタイトル。ロシアから国籍を変えた翌年の19年にブカレスト(WTA250)でツアー初優勝を飾り、20年にホバート(WTA250)で2勝目を挙げた。ランキングも18年の175位から36位(19年)→17位(20年)→14位(21年)と年々上げており、この1月には自己最高12位をマークした伸び盛りの選手だ。
今回のビッグタイトルがポイントに加算されないのは残念だが、大きな自信を得たのは間違いない。得意とするハードコートシーズンでは、ツアーの主役の一人として目が離せない。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】リバキナ、ジャバーをはじめウインブルドン2022で活躍した女子選手たちの厳選写真!
今大会の2人は共に“GS初”が付く記録づくし。ジャバーは男女を通じてアラブ人初のベスト4入りと、アフリカ人女子選手として初の決勝進出を達成。「アラブやアフリカの選手がもっと出てきてほしい。これがみんなへの刺激になれば」と誇りを胸に秘めている。
一方のリバキナもカザフスタン勢として初めてGS4強をマーク。23歳のリバキナはロシア・モスクワ出身だが、選手活動の資金に苦労し、4年前に支援を申し出たカザフスタンに国籍を変更した。「自分が歴史を作っているんだと思うと、本当にすごいこと」と、今回の快進撃を受け止めている。
2人の過去の対戦成績はジャバーの2勝1敗だが、直近の昨年秋の対戦はリバキナの途中棄権で、内容的にはほぼ互角。強打にスライスやドロップショットを頭脳的に混ぜるジャバーと、一撃必殺の高速フォアハンドとサービスを武器にするリバキナはプレースタイル的にも甲乙つけがたく、興味深い対戦となった。
決勝はまずジャバーがペースをつかむ。スライスで相手のペースを崩してミスを誘い、第3ゲームでジャバーがブレーク。積極的に叩くリターンと、低く滑るスライスが効果的な緩急となり、リバキナの武器であるフラットの強打を封じ込める。リバキナはサービスにも乱れが出て第9ゲームもダウン。オールキープのジャバーが6-3で第1セットを先取した。
しかし第2セットはリバキナが主導権を奪い返す。フォアハンドのキレが出てきたリバキナは第1ゲームでいきなりブレーク。ポジションを上げ続けて攻めるリバキナは、動きも目に見えて良くなり、ジャバーのドロップショットにもよく追いついて逆襲する。第5ゲームでもブレークに成功したリバキナ。自身のサービスでは4度のブレークポイントを全て凌ぐ粘りも見せ、6-2でセットを取り返した。
第3セットもリバキナの流れは変わらない。低弾道のフラット系ストロークをコートに突き刺し、第1ゲームからブレーク。3-2で迎えた第6ゲームのサービスでは、ドロップショットやトップスピンロブなど持てる技術を総動員したジャバーに0-40とリードされるが、驚異的な粘りでキープに成功。これで試合の大勢は決まった。リバキナはネットも絡めてさらに攻勢に出て、続くジャバーのサービスをブレーク。最後は自分のサービスをきっちりキープし、1時間47分の熱戦を制して頂点に立った。
リバキナはこれがキャリア3つ目のタイトル。ロシアから国籍を変えた翌年の19年にブカレスト(WTA250)でツアー初優勝を飾り、20年にホバート(WTA250)で2勝目を挙げた。ランキングも18年の175位から36位(19年)→17位(20年)→14位(21年)と年々上げており、この1月には自己最高12位をマークした伸び盛りの選手だ。
今回のビッグタイトルがポイントに加算されないのは残念だが、大きな自信を得たのは間違いない。得意とするハードコートシーズンでは、ツアーの主役の一人として目が離せない。
構成●スマッシュ編集部
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