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海外テニス

ウインブルドン初優勝の23歳リバキナ。終始クールだったが記者会見で涙「感情を出すところを見たかった?」<SMASH>

中村光佑

2022.07.10

リバキナが記者会見で感情を表したのは、両親について聞かれた時だった。(C)Getty Images

リバキナが記者会見で感情を表したのは、両親について聞かれた時だった。(C)Getty Images

 テニス四大大会「ウインブルドン」は現地7月9日に女子シングルス決勝が行なわれ、23歳のエレナ・リバキナ(カザフスタン/世界ランク23位)が格上のオンス・ジャバー(チュニジア/世界ランキング2位)に3-6、6-2、6-2の逆転で勝利。カザフスタン人女子選手初のグランドスラム優勝を成し遂げた。

 終始冷静にプレーを続けて試合をひっくり返し、表彰式でもクールな表情を崩すことなく優勝トロフィーを掲げたリバキナ。ロシア・モスクワの出身ながらも、2018年に選手活動の支援を申し出たカザフスタンに国籍を変更した23歳は試合後の会見で「ストレスがたまりすぎていて決勝は思うように楽しむことができなかった」と明かしつつも、「グランドスラム決勝の舞台に立つのはこれが最初でも最後ではないと思ったから、ずっとリラックスするように心掛けていた」という。

 またよほど緊張していたのか、「なぜだろう。準決勝の方が楽しかった。まだ優勝したことは信じられない。多分数日後くらいに自分がやり遂げたことを実感すると思う」とも語ったほどだ。

 だがそんな彼女が内に秘めていたものが溢れ出したのは、ある記者がリバキナに「今回の優勝で(モスクワに住む)あなたの両親はどんな反応をすると思う?」と尋ねた時だった。この質問にリバキナは涙を流しながら「きっと彼らもすごく誇らしく思ってくれるはず」とコメント。その後「私が感情を出すところを見たかったんじゃない?」と冗談を口にしたリバキナに対し、会見場からは笑いと温かい拍手が起こった。
 
 一方でリバキナは今大会で得た教訓を生かし、更なる高みを目指していきたいと考えているようだ。

「私は他のグランドスラムでも必ず成功すると思っているし、どういう道をたどっていくのかも自分でわかっている。どれだけストレスがたまるのかもわかっている。今回の決勝はただの経験にすぎない。次回は違うものになると思う」

 誰もが憧れるテニスの聖地でカザフスタン女子テニス界の歴史に名を刻んだリバキナ。今回の優勝で大きな自信がついたことは間違いないだろう。今後のさらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

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